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リストラされた従業員、解雇した社長と毎年食事会


ニュース 社会 作成日:2012年11月5日_記事番号:T00040271

リストラされた従業員、解雇した社長と毎年食事会

 不景気が続き企業のリストラ関連ニュースが毎週のように聞かれるようになった。通常、企業が人員削減を行う場合、解雇された従業員は経営に失敗した経営者を恨みこそすれ、感謝することなどはあり得ないのが普通だ。しかし、解雇された従業員が毎年、旧職場の社長を招いて食事会を開催し、リストラ時の対応に感謝するという珍しいケースがあることが分かった。

 大手紡織メーカー、利台紡織繊維(リーダー・テキスタイル)は20年前、中国移転に伴い桃園工場の閉鎖を決め、100人以上の従業員を解雇した。

 しかし当時、同社は解雇する従業員に対し、労働基準法で決められた2倍に当たる解雇手当、および子弟が高校を卒業するまで学費の援助を継続支給することを提案。このため従業員との交渉はすぐに合意に達したという。

 会社側の対応に従業員たちも感激し、工場の生産設備の撤去および新工場への移送・設置、さらに現地従業員への技術指導に協力と、最後まで職務を全うした。

 そしてその後、失業した従業員たちは「利台老友会」を結成。桃園工場の最後の工場長、戴茂栄さんの提案で毎年10月の最終週の日曜日に集まって食事を共にすることになった。この食事会には毎回100人以上が参加し、会社からも必ず社長か幹部が出席している。なおこの時は社長がゲストで、支払いは元従業員たちが持つのだという。

 今年の食事会にも、当時リストラを決めた当人で今はリタイアした張田・元総経理が出席。「当社が業界で成長したのはあなた方がいてくれたおかげだ」などと感謝を述べた。一方で元従業員も、「十分な手当てをもらったおかげで生活が安定し、子どもも育てられた。当時の写真を見ると涙が出てくる」と振り返った。

 張・元総経理は「かつて青年だった部下が年を取り、失業後も幸せな人生を送っているのを見ると、当時の判断が間違っていなかったと慰められる。われわれは離れ離れになった家族だ」と感慨深そうに語った。