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85度C、火鍋市場に参戦


ニュース 商業・サービス 作成日:2012年11月6日_記事番号:T00040319

85度C、火鍋市場に参戦

 立冬を目前にした5日、喫茶チェーン、85度Cが鍋料理店「這一鍋」をオープンした。体が温まる「火鍋」店は飲食チェーンで台湾最多の約1,000店、個人経営を合わせると4,000店以上で、商機は年間300億台湾元(約820億円)を超える。新規参入は容易だが生き残るのは困難な人気市場で、這一鍋は来年末に上海に進出し、5年以内に20店まで拡大すると意欲を燃やす。6日付自由時報などが報じた。


東洋ムードの中で禅宗(ぜんしゅう)風の食器を使って皇室秘蔵の鍋料理を食するという設定だ(5日=中央社)

 3年の開発期間を経て参入した這一鍋は、山椒(さんしょう)と唐辛子の辛いスープが特徴の「麻辣鍋」、酸っぱい白菜の漬物が入った「酸菜鍋」、中国史上唯一の女帝、武則天(唐の時代)が食したと言われる、豚モツで鶏肉を包んで煮込んだ「鳳凰回巣鍋」が主力商品だ。李雅清総経理は、平均客単価500〜600元、需要期は月間売上高1,000万元を見込んでいる。

 這一鍋の中国進出では、85度Cが既に中国で300店以上を展開し、毎年2けた成長を遂げているのが強みだ。同業では、王品集団の格安198元の1人鍋「石二鍋」、スープにサトウキビを使った「白甘蔗」、食べ放題25店で年間売上高が業界最高15億元以上の「千葉火鍋」などが今年中の中国出店を計画している。

中高価格帯、「鼎王」と直接対決

 レトロな内装の店内で麻辣鍋を食する「這一鍋」は、消費者から「鼎王麻辣鍋」に似ているとの声がある。台中の「鼎王麻辣鍋」は4年前に台北に進出し、全台で12店を展開。台北光復店は年間2億元を売り上げ、1店舗当たりで業界最高額と言われている。

 台湾の火鍋ブームは1968年誕生の食べ放題店が火を付けた。18年前には麻辣鍋が流行し、1,000元以上の1つの鍋を複数でつつくスタイルが主流だった。97年に「銭都」が180元の低価格で参入し、1人ずつ鍋料理を食べる1人鍋を広めた。10年前からは加盟店方式で店舗展開が加速し、今や1,000店近い火鍋チェーン店は、台湾の飲食チェーン2位の日本料理店と韓国料理店を合わせた1.5倍の規模だ。新規参入が容易な分、他店が簡単にまねでき、出店場所や価格設定、食材調達などを誤れば、早々に閉店を余儀なくされる厳しい市場だ。