ニュース 電子 作成日:2012年11月7日_記事番号:T00040342
IC設計の生産額が2015年にも中国に追い付かれる恐れが出てきた。工業技術研究院(工研院、ITRI)は6日、中国政府の同産業支援に加え、台湾人材の取り込み効果が現れるためで、聯発科技(メディアテック)、瑞昱半導体(リアルテック・セミコンダクター)、義隆電子(ELAN)などの脅威となると警告した。7日付経済日報などが報じた。
台湾IC設計の12年生産額は前年比6.5%増の4,106億台湾元(約1兆1,300億円)となり、来年は同5.8%増の4,345億元が予測されている。米国に次ぐ世界2位だ。一方、3位の中国は地元のローエンド市場を固め、毎年30%成長を果たしている。
量から質へ
工研院産業経済趨勢研究センター(IEK)の蔡金坤産業アナリストは、IC設計の競争力を▽政策▽経営▽生産要素▽技術▽市場──の5要素から比較すると、台湾は政策面で米国より、生産、技術、経営面で中国より優れているが、全体平均では中間に位置すると指摘した。
一方、15年に自給率30%を目標とする中国は10年以降、IC設計産業を支える9政策を打ち出し、政策力は世界一だと指摘した。市場規模は00年から拡大し始め、05年に米国を、10年に日米を合わせた規模を超え、15年には米国の3倍近くになると予測した。市場規模を利用して技術力を高める戦略で、20年に中国IC設計会社のうち少なくとも1社の世界10位入りを目指している。
蔡アナリストは、中国のIC設計産業は急成長および量から質への変化から、台湾にとって軽視できない存在だと強調した。
賃金差が縮小
メディアテックは、中国だけでなく韓国の政府も企業を支援しているのに、台湾政府にはそれがないと訴えた。
リアルテックは、中国のIC設計力は台湾に全く届いておらず、将来も追い抜かれる可能性は低いとの見方だ。ただ、中台のエンジニアの賃金差が縮小する中、台湾で来年ハイテク産業に対する免税措置がなくなった後は、人材の流出が進む懸念があると指摘した。
一方、ELANは、現在主流のノートパソコン、スマートフォン、タブレット型PCなどに搭載するICチップの大部分を台湾が供給しており、IC設計が3年後に中国に抜かれることはほぼあり得ないと考えている。
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