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個人情報を守れ、学校の生徒表彰まで伏字に


ニュース 社会 作成日:2012年11月9日_記事番号:T00040369

個人情報を守れ、学校の生徒表彰まで伏字に

  個人情報保護の徹底を目指し、改正個人資料保護法(個人情報保護法)10月1日に施行されたが、どの程度適用すべきかをめぐって社会の各方面で混乱が見られるようだ。

 南投県ではこのほど県政府が県下の小中学校に対し、個人情報保護を徹底し、表彰者のリストなどを掲示する際は名前の真ん中の1文字を◯に置き換えるよう指導を行った。

 これを受けてある学校では美術展の受賞者表彰リストを「最優秀賞・孫◯辰くん、佳作・陳◯揚くん」といった形に改め、ある中学校でも県のスポーツ大会で好成績を収めた生徒の名前をすべて伏字にした。

 しかしこの措置、保護者からの評判はすこぶる悪いようで、「表彰を伏字にして意味があるのか」「子どもが指名手配犯みたいだ」などと「行き過ぎ」との声も上がっている。

 これについて法曹関係者は、「当事者がプライバシーを侵害されたと感じず、公共の利益に合致する場合は名前を隠す必要はない」と指摘。南投県の学校が表彰者の名前を伏せていることに対しては「表彰式を行う際は覆面をかぶれとでも言うのだろうか」と疑問を呈している。

 こうした行き過ぎた指導に学校側が黙って従う背景には、南投県教育局が「対応に迷った場合は伏字を採用すべきで、問題が起きた場合は校長が全責任を取らなければならない」と、脅しとも取れる指導を行ったことがあるようだ。

 しかし一部では県政府の指導に従わない学校もあり、そのうちの1校、中興中学校の李枝桃校長は「生徒が悪いことをした場合、その情報を漏らすことは絶対にないが、良いことを表彰することがプライバシー侵害に当たるとは思えない」と説明。「県の論理からいくと、(女子ゴルフ世界ランキング1位の)ヤニ・ツェンの名前も伏せなければならなくなる」と批判した。