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楽天市場、台湾サイトを来年開設


ニュース 商業・サービス 作成日:2007年11月29日_記事番号:T00004045

楽天市場、台湾サイトを来年開設

 
 楽天は29日、同社のインターネット上のショッピングモール「楽天市場」の台湾版サイトの開設を発表した。コンビニ最大手の統一超商(プレジデント・チェーンストア)との合弁事業会社「台湾楽天市場」(資本準備金約6億円。出資比率・楽天51%、統一49%)を12月に設立し、2008年第2四半期中にサイトを立ち上げる。同社にとって初の海外事業で、3年後に3,000店の出店を目指す。
 

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調印式では、三木谷浩史楽天社長(左3)と林蒼生統一集団総裁(右3)が、巨大マウスをクリックして成功への意気込みを見せた(29日=YSN)
 
世界への足掛かりに
 
 両社は29日午後、台北市内で提携調印式を行い、三木谷浩史楽天社長は、「初の海外進出を必ず成功させるため、インターネット、物流、決算環境に優れ、かつ親日的な台湾を選んだ」と語った。他国への進出も視野に入れているが、当面は台湾に全力を投じる方針だ。
 
 同社は世界一のインターネット企業を目指すことを目標に掲げており、台湾をその足掛かりとしたい考えだ。統一とは、約1年をかけて提携協議を進めてきた。
 
 来年のサイト開設に向けて、今後決算プラットフォームの日台統一などシステムの開発に取り組み、テナント募集にも着手する。同社は「楽天大学」と呼ばれるテナントへの細やかな教育・指導に定評があり、台湾楽天市場の成功もこれが鍵になると考え、しっかりと取り組んでいきたいとしている。

日台の商品交流も
 
 また、台湾版サイトでは、日本の流行商品をいち早く導入するなど、日台双方のマーケット交流の相乗効果も期待する。

 提携相手に統一を選んだ理由としては、これまでスターバックスやセブン-イレブンなど外国資本との提携に経験が豊富で、さらに4,600店以上の実店舗や宅急便業務の展開にもメリットを感じたと指摘した。

テナントにプラットフォーム提供
 
 台湾楽天は統一超商のノウハウ提供を受けて、テナントに対してインターネット上で直ちに開店できるプラットフォームを提供する。統一はまた、全土のセブン-イレブンに備えるマルチメディア端末「ibon」の機能を生かして有形、無形の商品を利用者に提供していく。台湾各地に浸透している統一速達宅急便のネットワークを使った商品の引き渡しも行い、オンラインショッピングの最初から最後までの過程を一手に引き受けることになる。

 徐重仁統一超商総経理は、「楽天の営業、商品構成、店舗デザインなどのノウハウを生かし、消費者の信頼を獲得したい」と語り、楽天インフラを通じた素早い事業展開に意欲を示した。さらに、統一集団が高雄市で経営する台湾最大のショッピングモール「統一夢時代」の売れ筋商品や、統一速達がこれまで開発してきた2,000近い産地直送メーカーの商品など、長年積み上げてきたリソースを統合して提供し、実体販路のみならずバーチャル市場でもその影響力を着実に広げていきたい考えだ。 

市場規模、1,800億元に
 
 統一集団はこれまでもオンライン書店の博客来網路書局や統一購物便(ユニモール)など、オンラインショッピングサイトを経営し、まずまずの業績を上げてきた。他にも、太平洋そごうや遠東百貨、愛買吉安量販店(Geant)を傘下に持つ遠東集団は、グループ内の商品をオンラインで販売しており、新光三越も積極的に参入を検討している。

 台湾のオンラインショッピング市場は拡大を続けており、来年は1,800億台湾元(約6,100億円)規模に達すると予想されている。

 楽天も統一集団も商品の品質やセキュリティ重視には定評があり、両者の提携によって台湾でオンラインショッピングがさらに厚みを増して広がりを見せるのか、今からサービス開始が注目される。