ニュース その他製造 作成日:2012年11月20日_記事番号:T00040570
太陽電池大手、新日光能源科技(ネオソーラーパワー、NSP)は19日、台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)傘下の同業、旺能光電(デルソーラー)を来年6月末までに合併すると発表した。合後の生産能力は1.9ギガワット(GW)となり、台湾最大手、世界2位に踊り出る。ダンピング(不当廉売)をめぐり欧米との貿易摩擦が強まる中国メーカーが海外生産を迫られる中、委託先候補の台湾メーカーの中でも規模の大きさが受注に有利に働きそうだ。20日付蘋果日報などが報じた。
海英俊デルタ執行長(左)は、ネオソーラーは業績効率が良く、経営陣はデルタ出身者のため、1カ月もかからず話がまとまったと語った。右は林坤禧ネオソーラー董事長(19日=中央社)
両社の合併計画によると、まず12月14日までに株式公開買い付け(TOB)でネオソーラーの株式0.703株と現金0.5台湾元(約1.4円)をデルソーラーの1株と交換し、デルソーラーの株式13~15%(4億4,000万元相当)を取得する。これにより、デルタはデルソーラーへの出資比率が54%から41%に下がり、ネオソーラーの株式5%を取得する。その後、遅くとも来年6月末までにネオソーラーを存続会社として両社が合併する。デルタは新会社の筆頭株主(出資比率17%)として、董事7席中2席を取得する。デルタは合併18カ月以内に最高15億元の資金を提供する方針だ。
ネオソーラーの生産能力は現在、太陽電池が1.3GW、子会社の永旺能源(GES)のモジュールが60メガワット(MW)。デルソーラーは太陽電池0.6GW、モジュール180MWだ。合併で太陽電池の生産能力は1.9GWとなり、茂迪(モテック・インダストリーズ)を抜き、太陽電池の受託生産専業メーカーでは中国の晶澳太陽能(JAソーラー)に次ぐ規模となる。
業界再編の起爆剤
ネオソーラーの林坤禧董事長は、ネオソーラーとデルソーラーの太陽電池、モジュール、デルタの太陽光発電システムを合わせれば、高い競争力を持つサプライチェーンを構築できると語った。
デルタの海英俊執行長は、太陽電池の世界市場は需給バランスが崩れており、両社の合併が業界の再編につながればと期待感を示した。
市場調査会社、エナジートレンドの胥嘉政アナリストは、両社の合併が起爆剤となり、業界で合併が続くと予測した。台湾の太陽電池メーカーはコストが低く技術力も高い上、太陽電池、モジュールともに生産能力を擁するため一貫サービスが可能で、中国メーカーが生産を委託する最優先候補だ。合併で規模を拡大すれば、価格交渉力を高めることができる。
太陽電池市場では近年、欧州債務危機を受けた各国の太陽光発電システムへの補助金縮小や打ち切り、中国政府の地場メーカー支援による世界的な生産能力過剰、止まらない販売価格下落などが打撃となり、苦境に立たされたメーカーの撤退が相次いでいる。
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