台中市でこのほど、空から突然、胸もあらわな裸の若い女性が降ってきて、地上にいた男性が見事キャッチするという出来事があった。

　同市に住む女性、李さん（24歳）は早朝６時ごろ、アパート３階の１室で恋人と言い争いになり、怒りのあまりパンツ１枚の姿で窓から飛び降りようとした。恋人はあわてて駆け寄り李さんの両手をつかんだが、彼女はそれを振りほどこうともがき、２人は窓の内側と外側でもみ合いとなった。

　その時、向かい側の建物の１階にある朝食店を出てバイクに乗ろうとしていた引っ越し作業員の郭さん（46歳）が騒ぎに気付き、すぐに窓の真下に移動して受け止める体勢を取った。さらに騒ぎを聞きつけて集まってきた人たちも周辺のバイクを撤去したり、119番に連絡したりと万が一の事態に備えた。

　飛び降りようとする李さんを恋人は何とか中に引き込もうとしたが、１分余り格闘した末に力尽き、とうとう彼女は６〜７メートルの高さから落下──。

　もう駄目だと思われたが、彼女が落ちたその先には腰の位置を落として両手を前に突き出した郭さんの姿が。李さんは郭さんの腕に受け止められた。

　李さんは身長158センチメートル、体重45キログラムのスリムな体型。一方、郭さんは力仕事で鍛えた170センチ、85キロのがっしりした男性。こうした条件も幸いしてか李さんは軽傷で済んだ。

　とはいえ、専門家によるとこの高さから落ちた場合、受け止める側の人間には瞬間的に600キロに相当する衝撃を受けるとことになるという。

　このため郭さんは地面に頭を打ちつけて10分ほど起き上がれず、さらに腰椎をねんざして約１カ月の休養が必要と診断された。郭さんを病院に見舞った李さんの父親は「あなたがいてくれて良かった」と大感激で、医療費は全額負担すると申し出た。

　ただ騒ぎの張本人の李さん、３階から落ちた後も、上に向かって「絶対訴えてやる」などと恋人をののしり続けたという。けんかの原因は一体何だったのだろう。