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ZARA台湾、衣服から有害物質


ニュース 商業・サービス 作成日:2012年11月21日_記事番号:T00040596

ZARA台湾、衣服から有害物質

 台湾のZARA(ザラ)やLevi's(リーバイス)で購入した衣服2点を含むサンプル調査対象の63%から、有害化学物質が検出されたと国際環境保護NGO(非政府組織)のグリーンピースが20日発表した。医師は、今回検出されたノニルフェノールエトキシレート(NPE)などの環境ホルモンに長期間接触すると、生殖機能に影響を及ぼしたり、膀胱がんや乳がんになる恐れがあると指摘した。経済部標準検験局(標検局)はNPEの含有基準制定を検討する方針だ。21日付蘋果日報などが報じた。


る消費者は、ZARAのような有名ブランドにも含まれていたのなら、子ども用に買わないようにすると語った(20日=中央社)

 グリーンピースが今年4月に調査した世界29カ国・地域の衣服20ブランド141点のうち、全ブランドにわたる計89件でNPEが検出され、特に8ブランド12点は国際基準の1,000ppm(100万分の1を表す単位)を上回った。

 調査対象20ブランドのうち、ZARA、リーバイスのほか、▽Mango(マンゴ)▽Calvin Klein(カルバン・クライン)▽ESPRIT(エスプリ)▽TOMMY HILFIGER(トミーヒルフィガー)▽Armani(アルマーニ)▽BENETTON(ベネトン)▽DIESEL(ディーゼル)──の9ブランドが台湾に店舗を構えている。

 ZARAは衣服10点のうち6点からNPEが、2点から芳香族アミンが、1点から可塑剤が検出され、20ブランドで最も高い検出率だった。

 台湾の店舗で購入したZARAの子ども用長ズボンからもNPEが検出された。リーバイスの男性用TシャツはNPE、可塑剤が含まれていた。

 ZARAを展開するINDITEXグループは、ZARA台湾の店頭から問題の子ども服を撤去したと発表した。リーバイスは、問題商品の型番を確認中だとコメントした。

20年までにゼロ実現を

 グリーンピースは衣服ブランドに対し、2020年までに有害物質ゼロを実現することを約束するよう求めた。政府に対しては、有害物質の禁止リストを制定して規制を行うよう訴えた。

 行政院環境保護署(環保署)環境衛生・毒物管理処の陳淑玲科長は、NPEは環保署の定める第1類毒性化学物質に含まれており、標検局は国家基準を制定するべきだと語った。行政院消費者保護処の呉政学副処長も標検局が問題の商品をサンプル調査して対応を決めるべきだと述べた。

 林口長庚紀念医院・臨床毒物科の林杰リョウ(リョウは木へんに梁)主任医師は、衣服の染色に使われるNPEは実験で雄の魚の精巣が卵巣に変化したり、ラットの睾丸(こうがん)萎縮を招いたと指摘。柔軟剤の役割を果たす可塑剤も簡単には皮膚から吸収されないが、長期間の使用で男性は精子の質が衰えて女性化し、女性は早熟や背が伸びない恐れがあると語った。一方、芳香族アミンは皮膚から吸収されやすく、膀胱がんや乳がんになる恐れがあるため、購入後まず洗濯してから着用するよう助言した。