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淡水河の「台北島」、格安地価でも買い手付かず


ニュース 社会 作成日:2012年11月26日_記事番号:T00040648

淡水河の「台北島」、格安地価でも買い手付かず

 台北駅前の忠孝西路を西に進み淡水河の忠孝橋に入ると、左手に総面積10万坪に及ぶ中洲の島、「台北島」が現れる。農地として利用されている同島の地価は1坪わずか3,000台湾元、島丸ごとでもわずか3億元で購入できるが、買い手がなかなか現れないという。

 現在、同島には21人の地主がいる。そのうちの1人、3万坪を所有する張澄吉さん(72歳)の場合、祖父が日本統治時代に野菜を育てるために購入した。キャベツやバナナ、パパイヤなどが一家で食べきれないほど収穫でき、残りもよく売れ、暮らしが助かったと話す。台北島はもともとは陸続きだったが川の水の流れが変わったため、現在の島の形となったのだが、南側の中興橋に階段がかかっているので、行き来も便利だいう。

 台北市の一等地に至近距離でお手ごろ価格の台北島。なぜ買い手がないかというと、実はこの島、「洪水平原一級管制区」に指定されており、住宅など建物の建設が認められていないのだ。野菜や果物などを育てることは可能だが、台風が到来すれば、土地の一部が流される恐れもある。

 不動産仲介業者からは「常に水没のリスクがあり、投資価値は低い」、「地主の依頼があれば仲介を受け付けるが買い手を見つけるのは困難」と厳しい見方が。

 そんな中、家庭菜園にあこがれ、都市部には珍しい肥よくな土地を300坪購入した人がいる。しかし、大型の農業機械が持ち込めないため、畑を耕すのも、収穫もすべて手作業でやるしかない。張さんは「苦労は多いが、昔ながらの農業が味わえるはず」と励ます。

 「自分の島を持ちたい」、「都会で暮らしながら作物を育てたい」──。そんな夢をお持ちの方は購入を検討してみてはいかがだろうか。