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中国農産物開放の試算、農業損失111億元


ニュース 農林水産 作成日:2012年11月26日_記事番号:T00040656

中国農産物開放の試算、農業損失111億元

 中台の海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)締結後の後続交渉で中国が台湾側に農産物市場の開放を求めている問題で、温帯性の農産物17品目(リンゴ、ナシ、ブドウ、モモなど)などの中国からの輸入を解禁した場合、台湾の農業に大きな被害が見込まれるとの試算が明らかになった。26日付自由時報が伝えた。

 馬英九政権はECFA締結に際し、中国産農産物の台湾への輸入を解禁しない方針を示していたが、中国は世界貿易機関(WTO)のルールに基づく最恵国待遇を台湾に迫っており、このままでは中国側に押し切られ、農産物市場の開放を迫られるのではないかとの観測が高まっている。

 行政院農業委員会(農委会)の陳保基主任委員は「台湾で生産されておらず、既に海外から大量に輸入されている品目が優先的な交渉品目になる。リンゴなどはほとんどが輸入なので、市場を開放しても台湾の農業に影響は少ない」と指摘した。

 しかし、開南大学の呉明敏名誉教授は、中国のナシ、リンゴが輸入されると、台湾での生産額は17億元減少し、ブドウ、モモ、レイシ(ライチ)、ナツメなどを含む17品目が輸入された場合、111億台湾元(約310億円)の損失が出ると試算した。また、市場を開放しない品目でも中国産の果物の輸入が増えれば、台湾産果物の消費が減る懸念も指摘されている。