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財政難の地方政府、年越しイベント自粛提言も


ニュース 社会 作成日:2012年11月27日_記事番号:T00040674

財政難の地方政府、年越しイベント自粛提言も

 多くの地方政府が財政難から中央政府に支援を訴える一方で、今年も例年通り計1億台湾元もの予算を投じた年越しイベントを計画していることに対し、張盛和財政部長は26日、「困窮を訴える一方で無駄遣いをするような矛盾は許されない」と語り、「年越しイベントは必ずしも高い費用を投じて有名芸能人を呼ぶ必要はない」など支出の抑制を呼び掛けた。

 これに対し市民からは「確かに浪費だ」と賛同する声もある反面、「年越しイベントは観光客を呼び込み、大きな商機をもたらす」「中央政府だって意味のない広報CMに無駄な費用を使っている」などの反論も上がっている。

 一方、当の地方政府も財政部長の意見には冷淡で、今年も例年通りイベントを開催する構えだ。

 台北101ビルのカウントダウン花火が有名な台北市は「できるだけ費用は抑える」としながらも、「年越しイベントは開催地の信義計画区の消費を刺激するのみならず、台湾の名前を売る重要な機会」と強調。今年も張恵妹(アーメイ)や郭富城(アーロン・クォック)といった多くの人気歌手、タレントによる豪華なステージを企画しており、予算として800万元を計上している。

 今年918万元の予算を計上している高雄市も、既に市内のホテルに多くの予約が入っており、観光産業にもたらす生産額は昨年を上回るとしている。なお高雄市の年越しイベントは昨年、来訪した延べ100万人のうち約半数が外地からで、その経済効果は1億元を超えたという。

 また15県市最高の1,330万元の予算を計上している花蓮市は、「イベントは4日間にわたって開催するため、1日当たりの費用は400万元にとどまる」と説明した上で、「同イベントは県外から多くの観光客を呼び寄せ、ホテル・民宿の客室稼働率は98%に上る見込みで、赤字ではない」とこちらも経済効果を強調した。