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日台MRA署名、輸出コスト削減に効果


ニュース その他分野 作成日:2012年11月30日_記事番号:T00040771

日台MRA署名、輸出コスト削減に効果

 日台の交流窓口機関は29日、輸出手続の利便性の向上を目指す「日台民間相互承認取り決め」(MRA)と日台の産業協力を推進するための「日台産業協力架け橋プロジェクトの協力強化に関する覚書」(MOU)を交わした。日台MRAは電機電子製品731項目が対象で、その年間貿易額は600億台湾元(約1,700億円)を超える。早ければ半年以内に発効し、日台が相互の検査証明書を認めるようになれば、企業は関連製品の輸出入に際し、時間と費用の大幅削減を期待できる。30日付工商時報などが報じた。


大橋交流協会会長(右)は今回のMRAとMOU署名で日台企業の協力関係がさらに深まり、日台以外の市場の共同開拓につながると語った。左は廖・亜東関係協会会長(29日=中央社)

 交流協会の大橋光夫会長と亜東関係協会の廖了以会長は29日に台北市でMRAとMOUに署名した。

産業界は歓迎ムード

 日台MRAが適用される電気電子製品は台湾277項目、日本454項目。経済部標準検験局の陳介山局長は、小型家電の場合、台湾の製品を日本に輸出するために電磁両立性(EMC)試験が必要で、費用として台湾で実施する場合は10万元、日本では30万元かかると指摘。通過しなければ何度も製品を行き来させなければならず、時間がかかる上、費用もかさむと説明した。

 今後、日台が自国・地域の検査証明書で輸出できるようになれば、企業は負担削減が見込める。台湾区電機電子工業同業公会(電電公会、TEEMA)の羅懐家副秘書長は、産業界にとって朗報だと評価を語った。

 日台はMRA交渉に7年を費やした。台湾のMRA締結は米国、カナダ、豪州、ニュージーランド、シンガポールに続く6件目。現在、フィリピン、インド、サウジアラビアと交渉中だ。

経済交流、再生エネルギーが重点に

 MOUでは、日台間の経済交流を促進するため、日台架け橋プロジェクトを重点的に促進することを確認し合った。中小企業や地方プロジェクトに重点を置き、製造分野だけでなく、サービス分野など幅広く協力関係を強化する。

 経済部工業局の呂正華副局長によると、来年以降、経済交流を強化する分野として、▽風力発電▽太陽光発電▽発光ダイオード(LED)照明▽電気自動車(EV)▽手工具▽機械部品▽電子設備▽デジタルコンテンツ▽バイオ医薬▽情報サービス▽電子商取引──を選定した。

 経済部の関係者は、再生可能エネルギー分野が当面の重点となると指摘した。東日本大震災以降、台湾に協力メーカーを求める動きが強まっているためで、台湾メーカーの日本サプライチェーン入りを後押しする役割をMOUが果たすと語った。

 一方、廖・亜東関係協会会長は、日台間で薬事規範の協力枠組み構築覚書を協議しており、年内にも署名に至ると明かした。電子商取引に関しても協議中だと語った。