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メディアテック、スマホ向け大躍進


ニュース 電子 作成日:2012年12月3日_記事番号:T00040797

メディアテック、スマホ向け大躍進

 3日付工商時報などによると、IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)はシャープからの受注に続き、12日発表予定の同社初のスマートフォン向けクアッドコア「MT6589」をソニーモバイルコミュニケーションズにサンプル出荷した。これまでは低価格のいわゆる「山寨機(さんさいき)」向け中心だったが、国際ブランドからの受注拡大で、スマートフォン向けチップ出荷をわずか1年でゼロから今年1億セット以上、来年はさらに倍増させる勢いだ。

 メディアテックは12日に中国・広東省深圳市、台湾で「MT6589」を発表予定で、年末か来年初めにも発売する。聯想集団(レノボ)、中興通訊(ZTE)、TCL集団など中国大手ブランドが関心を示すとみられ、来年のスマーフォン向けチップ出荷に大幅成長をもたらす見通しだ。

 観測によると「MT6589」はARMの「Cortex−A7プロセッサ」を4つ搭載し、製造プロセス28ナノメートルを採用、1~1.2ギガヘルツ(GHz)駆動、720pディスプレイ、1,300万画素のデジタルカメラレンズに対応する。

クアルコムに挑戦

 証券会社は、メディアテックが「MT6589」で、国際スマートフォンブランド向けで優位に立つクアルコムとの差を縮められると指摘した。

 メディアテックはスマートフォン世界上位10社では、中国のレノボ、ZTE、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)から受注。ほかに、モトローラ・モビリティ、シャープ、宏碁(エイサー)からの受注もある。今年10月末には、通年出荷予測を1億1,000万セットへと、3度目の上方修正を行った。

 一方、クアルコムは中国3社だけでなく、▽サムスン電子▽LGエレクトロニクス▽ソニーモバイル▽宏達国際電子(HTC)▽リサーチ・イン・モーション(RIM)▽ノキア──と、アップル以外の9社から受注し、今年6億セット以上の出荷見通しだ。

中国携帯3社、再来年5位入り

 アップル、サムスンのスマートフォン出荷は今年1億台を超える見通しだ。

 一方、市場調査会社、トレンドフォースは中国ブランドのスマートフォン出荷は今年2億台を超え、世界全体の28%を占めると予測した。来年は前年比50%増の3億台と、市場平均を上回る伸びが期待でき、世界全体に占める割合は34%まで拡大する見通しだ。さらに2014年末までには携帯電話メーカーの世界上位5社に中国3社が入り込むとみている。

 中国でフィーチャーフォン(一定の機能を有する携帯電話)8億台の出荷規模に対応できる生産ラインを擁するメディアテックにとって、出荷量の底上げが期待できる。

【表】