ニュース 社会 作成日:2012年12月7日_記事番号:T00040876
今年10月、上海発・台湾行きの中華航空(チャイナエアライン)機に乗り込んだ1人の中国人男性が、途中で機内の天井裏に忍び込み、同機がそのまま米国路線に使用されたことを利用して米国への密航を試みていたことが明らかとなった。男性は約16時間、狭い天井裏に身を縮め、1万1,000キロメートルを飛行したことになる。
同事件が発生したのは10月21日のこと。上海浦東空港を午後7時に出発した中華航空CI504便に搭乗した男性は、台湾へ向かう飛行中に機をうかがって機体後部に設置された乗務員用の休憩室に潜入。さらに天井裏のメンテナンス用の狭い通路に身を隠した。そして午後9時40分ごろに桃園空港に到着した後も隠れ続けた。
同機は乗客を降ろした後、中華航空および航空警察局(航警局)の係員によって3度機内の検査が行われたが、男性が見つかることはなく午後11時40分にサンフランシスコへ向けて飛び立った。
同機は目的地へ無事到着。まんまと密航に成功したかに見えたこの中国人男性だが、入国審査の際に偽造パスポートが見破られて逮捕されてしまった。
なお米国当局は、乗務員休憩室には常時鍵がかけられていること、および天井裏の通路は乗務員でさえ知らないにもかかわらず、この男性が正確にその位置を把握していたことから、中華航空内部に協力者がいたのではないかとの疑いを抱いているようだが、中華航空は強く否定している。
また規定によると、航空機の到着後に入出国移民署の係員が乗客人数の確認を行うことになっているが、ここでも男性が機体を下りていないことに気付いておらず、中華航空、航警局、移民署といずれのチェックもすり抜けていたことが明らかとなった。
さらに皮肉なことに、事件が起きた約10日後の11月1日から台湾人にノービザでの米国渡航が認められ、台湾政府は「我が国の空港での安全検査が米国に認められた」と大々的に成果を強調していた。
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