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台プラ六軽4期拡張、来年着工へ


ニュース 石油・化学 作成日:2012年12月7日_記事番号:T00040900

台プラ六軽4期拡張、来年着工へ

 台塑集団(台湾プラスチックグループ)の第6ナフサ分解プラント(雲林県麦寮郷、通称六軽)第4期拡張計画で、行政院訴願委員会は6日、環境保護署(環保署)による生産工程に関係のない揮発性ガス(VOCs)排出条件を追加する付帯決議を差し戻すと発表した。台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)の陳宝郎董事長は政府の判断に謝意を示し、これで来年にも着工し、2014年に稼働できると語った。石化業界では、投資障壁の除去により来年400億元近い関連投資計画が実現するとみられている。7日付工商時報などが報じた。

 台プラグループの高付加価値化戦略の下、台塑石化は昨年、世界最大のスチレンモノマー(SM)メーカー、クレイトンポリマーと52億台湾元(約150億円)を折半出資し、水添スチレンブロック共重合体(HSBC)プラントを設立して高品質の合成ゴムを生産すると発表した。環保署は今年7月に投資計画を認めたが、燃焼放散塔、ペンキ塗装、冷却塔、タンク洗浄作業、保守・点検作業のVOCs排出量を、環境影響差異分析報告の有害物質の総排出量に含める条件付きだったため、台プラグループは厳し過ぎるとして9月と10月に2度、不服を申し立てていた。

「環境偏重は雇用にも悪影響」

 台プラグループ主管は、こうした5項目のVOCs排出量を環境影響評価(環境アセスメント)で規制している国はどこにもないと指摘。追加条件を受け入れれば排出量が532~1,400トン上積みされ、自社だけでなく、長春集団(CCPG)など同業も投資計画を断念し、台湾経済に打撃を与えるところだったと語った。

 台湾区石油化学同業公会(石化公会)の陳武雄理事長は、賢明な判断で、環境影響評価の誤りを正したと評価した。その上で、近年、環境影響評価のおかしな判断で企業の発展が妨げられた結果、台湾で受注しても海外で生産するケースが50%を占め、台湾の就業機会を減らしていると警告した。

有害物質の範囲、環保署が再検討

 環保署の沈世宏署長は、HSBCプラント投資計画は既に環境影響評価委員会大会の審査を通過しているため、付帯決議が差し戻しされても着工に影響はないと語った。環保署はVOCs5項目を有害物質の総排出量に追加するよう要求したのではなく、含めて計算すべきと指摘しただけだと説明した。政府の規定が不明確なため、近く台プラグループ、雲林県政府、専門家を招いて「科学的に」検討すると語った。

【表】