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AUO、AMOLED来年Q1量産へ


ニュース 電子 作成日:2012年12月10日_記事番号:T00040928

AUO、AMOLED来年Q1量産へ

 友達光電(AUO)がアクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネルを来年第1四半期にも量産・出荷するとの観測が、サプライチェーンの関係者によって伝えられた。唯一量産に成功している韓国サムスンモバイルディスプレイ(SMD)の独走に待ったをかける。奇美電子(チーメイ・イノルックス)、LGディスプレイ(LGD)なども量産の準備を進めており、来年は同分野での競争が熱気を帯びる見通しだ。10日付経済日報が報じた。

 AMOLEDパネルは自発光のためバックライト不要で省電力、薄型軽量、豊富な色彩、高コントラスト比などの特徴を持ち、スマートフォンやタブレット型パソコンへの応用に適しているとされる。

 サプライチェーン関係者によると、AUOは第3.5世代生産ラインでの良品率が現在5~6割に達しており、SMDの7割に迫る勢いだ。成膜技術での良品率が低かったため設備の改善を図り、これが効果を挙げたもようだ。なお、AUOの広報担当は9日、出荷時期について「顧客のスケジュールに応じて決める」と説明した。

スマホメーカーに朗報

 AUOの量産製品第1号はスマートフォン用4.3インチパネルとみられており、スマートフォンメーカーにとって明るい知らせだ。サムスン電子はスマートフォン「Galaxy S3」や「Galaxy Note II」などの旗艦機種にAMOLEDを採用して他ブランドをリードしてきたが、今後は他社も追随できることになる。宏達国際電子(HTC)が第3.5代工場の生産ラインを押さえており、ソニーも供給を強く求めているとも伝えられる。

業績向上に貢献

 なお、奇美電はスマートフォン向け4.5インチ以上のAMOLEDの量産に向けて準備を進めており、来年上半期の出荷を見込んでいる。NPDディスプレイサーチの謝勤益副総裁によると、1平方メートル当たり換算で、スマートフォン用AMOLEDパネルの価格は7,926米ドルで、テレビ向け液晶パネル(614米ドル)の約13倍にも達する。パネル価格の下落などで多額の損失を計上しているAUOと奇美電にとって、AMOLEDの量産化は業績向上に大きく貢献するとみられる。

11月は1.4%増収

 AUOが7日発表した11月売上高は、前月比1.4%増、前年比10.9%増の339億台湾元(約960億円)となった。出荷量は大型パネルが前月比8%増の1,070万枚以上、中小型パネルが前月比5.8%減の1,320万枚だった。

 証券会社は12月の売り上げ見通しについて、中旬まではクリスマス商戦向けの需要に恵まれるものの、年末の在庫調整の影響も受けるため横ばいとなるが、プラス成長になる可能性もあると指摘した。

 同社は第4四半期、大型パネルの出荷量は5%減るものの、平均販売単価は前期比5%上昇するとみている。中小型パネルは例年の非需要期に入るため前期比で5~9%下落すると予想している。

【表】