ニュース 電子 作成日:2012年12月11日_記事番号:T00040956
華碩電脳(ASUS)が10日発表した11月売上高は、前月比11.5%増、前年同月比32.7%増の396億4,400万台湾元(約1,100億円)に上り、過去最高を更新した。台湾ブランドメーカーとしては、業績低下に悩むライバルの宏碁(エイサー)やスマートフォン最大手の宏達国際電子(HTC)を大きく引き離して首位に立っている。創造性に富んだ製品こそがブランド成功の鍵であることを同社の例は教えてくれる。11日付電子時報などが報じた。
ノート・タブレットが好調
張偉明ASUS財務長は、「11月は予測を上回る好業績だった」と述べ、その理由として10月に発売した「ウィンドウズ8(Windows8)」搭載のタッチパネル搭載ノートPC「VivoBook」や、グーグルとのダブルブランド低価格タブレット型PC「ネクサス7」の出荷好調を挙げた。さらに、10月末に発売したタブレットPCとしても利用できるスマートフォン「PadFone2」、10インチの着脱式キーボードに対応している「トランスフォーマー」などに対する消費意欲も旺盛だと説明した。
11月の出荷台数はノートPCが180万台以上、タブレットPCは過去最高の100万台以上となった。ネクサス7の出荷台数は11月、80万~90万台に達し増収に大きく貢献したとみられる。
同社は第4四半期、ノートPC550万台、タブレットPC260万台と、それぞれ1割増の他社を上回る強気な出荷見通しを立てている。
エイサー、「心をつかむ」戦略へ
ASUSとは対象的に、エイサーの11月非連結売上高は243億5,600万元で、前月比4.6%減、前年同月比31.9%減と落ち込んだ。かつてはASUSを上回る業績を収めていたものの今年7月から後塵を拝している。王振堂エイサー董事長は、ウィンドウズ8機種への市場の反応が予測を下回ったためと説明した。
エイサーは最近、市場シェアではなく消費者の心をつかむことに重点を置く戦略への転換を打ち出している。王董事長は、コスト低減をこれ以上進めることが困難になった現在、大量生産・大量販売の従来の成功モデルは見直す必要があると説明。今後は価格競争には進まず、研究開発(R&D)とマーケティングを強化し、ブランドイメージの向上に注力する方針だ。
業界からは、エイサーの戦略は市場シェアを高めるよりも難しく、時間もかかるため辛抱強く取り組まなければならないとの指摘が出ている。しかし、自社設計のタッチパネル搭載ウルトラブック「Aspire S7」が、割高ではあるものの台湾や北米、中国で好調な売れ行きを記録し、エイサー経営陣はこれに手応えを感じて士気を高めているという。
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