ニュース 電子 作成日:2012年12月14日_記事番号:T00041031
14日付経済日報によると、世界最大の半導体製造装置メーカー、米アプライド・マテリアルズが、南部科学工業園区(南科)への液晶パネルの研究開発(R&D)センターの設立を決めた。第8.5世代生産ライン関連およびアクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネル製造の設備と技術を導入するとみられる。友達光電(AUO)、奇美電子(チーメイ・イノルックス)の競争力向上に貢献し、AMOLEDで独走する韓国サムスンモバイルディスプレイ(SMD)との技術差を縮めることが期待できる。
アプライド・マテリアルズは、カリフォルニア州サンタクララ市に本社を置き、半導体のほか、フラットパネルディスプレイおよび太陽電池や発光ダイオード(LED)照明の製造装置の供給や、サービス、およびソフトウエアを提供している。
台湾業界との関係は深く、2008年には投資総額は1,700万米ドルで、南科にアジア最大の液晶パネル設備および薄膜太陽電池製造設備の製造センターを建設した。
台湾の産業環境を好感
同社は以前よりアジアでのR&Dセンター設置を計画していたが、世界金融危機や欧州債務危機などで先延ばしにしていた。候補地を液晶パネルメーカーのクラスターが形成されている▽台湾▽日本▽中国▽韓国──の4カ国・地域に絞り、最終的に台湾が選出されたという。
業界関係者によると、台湾が選ばれた理由は、日本は生産コストが高く、東日本大震災以降、電力供給などの問題がある一方、台湾はこれらの面で優れており、関連設備・部品メーカーの水準が高く、知的財産権(IP)保護の意識も高いことにある。さらに、海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)もあって、外資系企業にとって中国進出の利便性が高いことも理由の一つとなったという。
アプライド・マテリアルズは台湾での調達も拡大し、R&D建設と調達額の合計は50億台湾元(約145億円)以上に上る予想だ。同センター建設については経済部の審査を通過し、承認が下りるのを待って正式に発表されるとみられるが、経済部はノーコメントとしている。なお今後、半導体のR&Dセンターの誘致も視野に入れているもようだ。
競争力強化に期待
AMOLEDパネルは現在唯一量産に成功しているSMDが市場を握っており、AUO、奇美電はSMDの一人勝ちに待ったをかけるべく量産の準備を進めている。今後アプライド・マテリアルズの設備や技術提供を受ければ、同分野での競争力を大きく高めることができるとみられる。
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