ニュース 社会 作成日:2012年12月18日_記事番号:T00041058
わずか1,000台湾元の所持金で地を這うような生活から身を起こし、30年間の苦労を経て夜市(ナイトマーケット)の大元締めへと成り上がった1人の男性がいる。
花蓮出身の原住民、陳栄和さん(57歳)は30年前、花蓮で電器店を営んでいたが経営不振で廃業。その後、妻とまだ2歳だった娘を連れて桃園県に流れ着いた時には所持金は1,000元にまで減っていた。
県内の台湾鉄路(台鉄)中レキ(レキは土へんに歴)駅周辺に多くの露天商が集まっていることを知った陳さんは、自分も店を出したいと考えたが、1,000元では商品を仕入れることもできない。
そこで陳さんはある録音テープ卸売業者のもとへ何度も足を運び、リース式で仕入れをさせてくれるよう頼み込み、中レキ駅の地下道に「店」を構えた。
商売敵が増えることを嫌う同業者から冷たい扱いを受けたが、陳さんは警察の取り締まりがあった際に率先して他の露天商の撤収を手伝ったり、店の留守番を買って出たりすることで同業者の信頼を獲得した。
さらに「みかじめ料」を要求する暴力団との話し合いにも当たって交渉術を磨き、警察とも仲良くなって取り締まりに関する暗黙の了解を取り付けることに成功。これが認められて陳さんは地下道の露天商のリーダー的存在となった。
そしてその後、地元政府が公共施設での露天商の排除を進めた際、陳さんは地下道から出て100以上の屋台業者をまとめ、使われていない農地や工場跡を借りて大型発電機、移動式トイレを購入。桃園の大規模夜市以外の場所を巡る「移動式夜市」を作り上げ、今では100〜600の屋台が陳さんの手配に従い、1週間に約15カ所で夜市を開いている。
ただ、陳さんの夜市は土地の目的外使用として違法と判断され、罰金処分を受けている。しかしここでも彼は、傘下に抱える1,500もの家族が安心して商売ができるよう、議員への陳情や役所との交渉に奮闘している。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722