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11月輸出受注額、IT新製品で過去最高に 【図】


ニュース その他分野 作成日:2012年12月21日_記事番号:T00041156

11月輸出受注額、IT新製品で過去最高に 【図】

 経済部が20日発表した11月の輸出受注額は前月比6.1%増、前年同月比11.1%増の407億3,000万米ドルと過去最高を更新し、3カ月連続プラス成長となった。アップルの新製品発売などを受けて、同じく過去最高額となった情報通信製品や電子製品がけん引した。これにより輸出受注額は通年ベースで前年比1%増となり、3年連続で過去最高を更新する見通しとなった。21日付工商時報などが報じた。

スマホ・タブレットがけん引

 経済部の林麗貞統計長は、11月の輸出受注額が予想外に良かったと感想を述べた。スマートフォンやタブレット型パソコンの普及で、台湾の輸出受注額の58%を占める▽情報通信製品▽電子製品▽精密機器──が大幅に伸びたことが主因だ。情報通信製品は前年同月比17.2%増の109億4,000万米ドルで初めて100億米ドルの大台に乗った。アップルのスマートフォン新製品「iPhone5」やタブレットPC「iPad mini」、マイクロソフト(MS)のOS(基本ソフト)「ウィンドウズ8(Windows8)」の発売でタッチパネル搭載のノートPC需要が高まったことで、台湾ブランドや受託メーカー、サプライチェーンの受注が大幅に伸びたことによるものだ。

 半導体などの電子製品も前年同月比8.6%増の95億1,000万米ドルで、5カ月連続プラス成長となって過去最高を更新した。精密機器は大型液晶パネルの需要増を受けて、同13.1%増の34億1,000万米ドルと過去2番目の数値を記録した。プラス成長は4カ月連続となった。

 仕向け先別では米国が同20.3%増の107億4,000万米ドルと初めて100億米ドルを突破。情報通信製品が3割拡大したことが大きく、2カ月連続で中国を上回って首位に立った。中国・香港向けは同9.6%増の100億9,000万米ドルで、4カ月連続プラス成長だった。

 経済部は、12月の輸出受注額は390億~400億米ドルを予測しており、通年では少なくとも4,406億米ドルに上り、前年比1%増で2011年、12年に続いて過去最高を更新する見通しだ。

海外生産割合も過去最高更新

 一方で、台湾企業による海外生産の割合は3カ月連続で上昇し、過去最高の51.7%に達した。特に情報通信製品の場合、海外生産割合は82.8%と突出しており、林統計長は、単月平均受注額約100億元米ドルに対し、実際に台湾から輸出される額は20億米ドルにも満たないと説明した。そのほか割合が高いのは上位から、▽電機製品、70.2%▽精密機器、56.1%▽電子製品、53.4%──だった。

 台湾大学経済学部の林向愷教授は、「台湾で受注、海外で生産」という傾向は、域内総生産額(GDP)を押し上げることはできても、台湾が抱える『高失業率、低賃金』問題の改善を妨げている」と指摘した。

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