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大台北合併構想、10年後にも実現か


ニュース その他分野 作成日:2012年12月24日_記事番号:T00041205

大台北合併構想、10年後にも実現か

 大台北地区と呼ばれる台北市、新北市、基隆市の合併構想が現実味を帯びてきた。朱立倫新北市長が、郝龍斌台北市長と両市の合併で意見が一致しており、10年後にも実現する可能性があると発言した。郝台北市長と張通栄基隆市長は、基隆市も加えるべきとの立場だ。新宿、池袋、品川、渋谷など副都心の発展をモデルに交通網の発達、産業の相互補完、都市計画の統合などの効果を見込む。24日付自由時報が報じた。


朱市長は14年の新北市長選再出馬や16年の総統選立候補について問われ、市政を良くするため日々奮闘するだけで、先のことはその時に考えると答えた(22日=中央社)

 朱新北市長は直轄市昇格時の就任から2周年を前に、自由時報のインタビューで合併構想について語った。新北市のサラリーパーソンの3分の1が台北市で働き、台北市の4分の1が新北市で働いていると指摘。両市は既に緊密な共同生活圏で、協力、共存共栄の関係が構築されていると強調した。

 都市の競争力を考えれば合併は必然としながらも、急ぎ過ぎれば失敗するとも指摘。少なくとも10年の時間をかけ、民意が形成されてから、両市の議会で同意を得る流れになると説明した。首長同士の競争やライバル心が強ければ合併は困難だが、郝台北市長とは協力関係で考えが一致していると述べた。

 郝台北市長は、基隆市を含めた大台北合併は市民の同意を得て徐々に進めるべきで、タイムスケジュールは立てられないと語った。

 張基隆市長は、基隆市を含めた大台北合併が最優先で、次なる候補は新北市の金山区、万里区、瑞芳区、貢寮区との合併による大基隆市計画だと述べた。

権力膨張を否定

 台北市と新北市だけでも人口は660万人、基隆市を合わせれば700万人に膨らみ、地方政府の首長の権力が中央政府に迫るいわゆる「エリツィン効果」を懸念する声もある。しかし朱新北市長は、「エリツィン効果」は非民主的な旧ソ連で起きたことで民主化が実現した台湾とは同列に論じられないと指摘。また、東京やソウルも人口が集中した大都市だが、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領(2008年就任、元ソウル特別市長)以外に首都の首長が元首になった例は思い浮かばないと述べた。

高雄・屏東県の合併も

 李鴻源内政部長は、両市だけが合併して基隆市の過疎化が進むことは許されないとの考えを示した。内政部が大台北合併を認めるなら、地域格差拡大や国家資源の配分バランスが崩れる可能性を考慮し、高雄市と屏東県の合併もあり得ると述べた。

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