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航空貨物、台湾素通りで4年連続減少へ


ニュース 運輸 作成日:2007年12月5日_記事番号:T00004161

航空貨物、台湾素通りで4年連続減少へ

 
 3年連続で前年割れを記録していた航空貨物の取扱量が、今年も回復せず減少が続くことがほぼ確実な情勢となった。中国との直航が実現していないため中国関連の再輸出貨物の取り扱いが減っていることに加え、原油高によって海運利用に切り換える荷主が増えた影響もある。5日付工商時報が報じた。
 
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 今年1~10月の域内、国際、経由(再輸出)を合わせた航空貨物の取扱量は141万2,064トンで、昨年同期比で5.8%減少した。特に香港など他の地域から台湾を経由して第3地に貨物を送る再輸出は、15.4%減と顕著な落ち込みとなった。昨年通年実績の180万トンを割り込む可能性は高く、この数字をクリアできるケースがあるとしたら、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)メーカーの茂徳科技が予定している、旧設備の中国・重慶への輸出が年内に行われる場合だという。
 
 航空貨物の減少について中華航空(チャイナエアライン)貨物部門の幹部は、「欧米の航空会社の貨物便が直接中国大陸に運航するようになったためだ。以前のハイシーズンは、香港発米国行きの100便以上の増便貨物便が台湾を経由していたが、現在では50便に満たない」と説明する。

海運利用に切り替え

 今年上半期、欧米の航空会社の台湾便は、中国市場がそれほど振るわなくても削減された。これはエレクトロニクス業界の競争が激しく、コスト低減のため海運に振り分けられる動きがあったためだ。9月以降のハイシーズンも、アパレル、装飾品、家電などの業者が高騰した燃料サーチャージの支払いを嫌って海運に切り換えたため、航空貨物便の利用率は上がらなかった。 

 中華航空によると、今年、世界の航空貨物市場で好調だったのはユーロ高に恵まれた欧州向けだけで、米国はサブプライムローン問題による消費意欲減退で低迷した。中国市場は直航が行われていないため、台湾経由の貨物は少なくなる一方。またタイやインドネシアは通貨の上昇で輸出量が減少した。マレーシアのエレクトロニクスメーカーもパネル供給が追いつかず、出荷量が伸び悩んだ。