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エイサーが五輪パートナーに、欧米のシェア向上狙う


ニュース 電子 作成日:2007年12月7日_記事番号:T00004222

エイサーが五輪パートナーに、欧米のシェア向上狙う

  
 宏碁(エイサー)は6日、2010年のバンクーバー冬季五輪と12年のロンドン夏季五輪を、ワールドワイド公式パートナーとしてサポートすることが決まったと発表した。台湾企業が五輪のワールドワイド・パートナーとなるのは初めてで、ブランド知名度の向上により、五輪開催地の北米と欧州でのシェア獲得につなげたい考えだ。7日付経済日報が報じた。
 

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 これは6日夜、エイサーのジャンフランコ・ランチ総経理とジャック・ロゲ国際オリンピック委員会(IOC)会長が、ロンドンで台北の王振堂董事長とビデオ会議で結んだ共同記者会見で発表したもので、エイサーは09年よりオリンピックのワールドワイド公式パートナーとなる。

全世界で五輪マークを使用

 ワールドワイド・パートナーとなれば、全世界での宣伝・販売活動において五輪マークの使用が認められる。IT(情報技術)メーカーとしてはIBM、サムスン、聯想集団(レノボ)に次ぐ4社目のワールドワイド・パートナーで、エイサーはノートブック型およびデスクトップ型パソコンやディスプレイ、非UNIXシステムのサーバーなどの設備を提供することになる。 協賛金は1億米ドル、関連する広告費を合わせると投資総額は約100億台湾元(約345億円)に上るとみられる。台湾企業では他に、統一超商(プレジデント・チェーンストア)が北京五輪のパートナーとなっているが、中国内でのプロモーションに限られる「大会パートナー」契約となっている。

サムスンは五輪契機に躍進

 レノボは先日、北京五輪以降はワールドワイド・パートナーを降りると発表したが、エイサーの王振堂董事長は五輪での商機を、「こんなチャンスはめったにない」と好感しており、バンクーバー冬季五輪を契機に北米市場でのシェアを3位から2位へ引き上げ、ロンドン五輪では欧州トップの地位を強化したいとの期待を語った。

 ハイテク業界ではよく知られていることだが、98年長野五輪でサムスンがモトローラに代わって五輪ワールドワイド・パートナーとなった後、同社の携帯電話Anycallは、世界市場での販売シェアが2.7%(9位)から5年後には12%(3位)となり、また、06年トリノ五輪後には「信頼指数」が全世界で10%、開催国のイタリアでは30%以上上昇した。エイサーも当然、サムスンと同様の効果を期待しているとみられる。

 

 

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 今年8月にエイサーが、米ゲートウェイの買収を発表した際は、株価が連日のストップ安に見舞われた。今回の五輪への投資について王董事長は、「協賛金は売上高のわずかな一部で、財務に影響はない」と株主の懸念払拭に努めた。また、ランチ総経理は、今後五輪以外にも台湾のプロ野球、F1、スペインのFCバルセロナ、そして大リーガー王建民のイメージキャラクター起用など、スポーツを通じたプロモーションを継続していきたいと語った。