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オスカー獲得のアン・リー監督、「台湾に感謝」


ニュース 社会 作成日:2013年2月26日_記事番号:T00042269

オスカー獲得のアン・リー監督、「台湾に感謝」

 台湾時間25日に米国で開催された第85回米アカデミー賞の発表・授賞式で、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』により監督賞を受賞した台南出身のアン・リー(李安)監督は壇上で感激の涙を浮かべ、「台湾に感謝する。台湾がなければこの映画は完成しなかった」と語り、監督の故郷は歓喜に包まれた。


オスカー像を手に受賞を喜ぶアン・リー監督。一部の撮影は台中市で行われ、リー監督は台中市に対しても感謝の言葉を述べた(25日=中央社)

 リー監督が同賞を受賞したのは2006年の『ブロークバック・マウンテン』に続き2度目。いずれもスティーブン・スピルバーグ監督(06年は『ミュンヘン』、今回は『リンカーン』)を抑えての受賞となった。

 台湾全土の映画ファンが注目する中、監督賞のプレゼンターを務めたオスカー俳優のマイケル・ダグラスとジェーン・フォンダが「アン・リー」の名を読み上げると、「信じられない」といった表情を浮かべるリー監督を、スピルバーグ監督を含め会場全体がスタンディングオベーションで讃えた。

 この時の気持ちについてリー監督は、「多くの人が私に投票すると言ってくれていたからそれほど驚かなかったけど、大勢が立ち上がって拍手しているのを見て感動したんだ」と語っている。

 ステージに上がり、オスカー像を受け取った監督は「映画の神、制作に関わった全員に感謝する」と述べた後、台湾への気謝意を表した。さらに前回、監督賞を受賞した際には愛妻、林恵嘉さんへの言葉はなかったが、今回は壇上から「アイ・ラブ・ユー」と声をかけた。

 ただ「受賞は結婚30週年の良いプレゼントになったのでは?」と聞かれた林さんは「30年もたってプレゼントが必要な夫婦なんて問題じゃない?彼が自分の好きなようにすればそれでいいわ」とクールに答えた。

 また受賞が台湾のメディアで一斉に報じられたほか、台北101ビルに「李安讃台湾讃(アン・リー最高・台湾最高)」の文字が浮かび上がった。そして、メディアからインタビューを受けたリー監督の母親は「あの子もちょっとは台湾に貢献できたでしょう。映画のおかげで欧州の小さな国にも台湾がどこにあるか知られるようになったんだから」と喜んだ。

 なお『ライフ・オブ・パイ』は監督賞のほか、撮影賞、作曲賞、視覚効果賞の最多4部門を獲得した。