HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

第4原発推進の賛否、8月にも住民投票


ニュース 公益 作成日:2013年2月26日_記事番号:T00042293

第4原発推進の賛否、8月にも住民投票

 江宜樺行政院長は25日、建設の賛否に議論が続いている台湾電力(台電)第4原子力発電所(新北市貢寮区)について、計画中止の賛否を問う住民投票を早ければ8月にも実施すると表明した。馬英九政権で初めての住民投票で、計画中止となれば電力料金が4割上昇するという試算もあり、経済成長とのバランスを考えた判断が迫られる。一方、住民投票の成立要件が厳しいため、原発反対の民意を抑え込むことが目的との見方もある。26日付工商時報などが報じた。


江宜樺行政院長は、住民投票の結果をしっかり受け止めると表明した(25日=中央社)

経済成長、0.4ポイント押し下げ

 立法院国民党団の頼士葆書記長は、3月中〜下旬に住民投票案を立法院に提案すると述べた。行政院の鄭麗文報道官は、第4原発の2013年度予算約200億台湾元(約620億円)と追加予算約400億元の審議を一時保留すると述べた。第4原発建設には既に2,640億元が投じられている。

 仮に第4原発の運転を見送り、天然ガスで代替した場合、台電の試算によると、電力料金は1キロワット時(kWh)当たり0.38元上昇し、18〜25年に順次予定している第1〜3原発の運転終了後は同1.36元上昇、値上げ幅は4割に達する。経済部の試算によると、GDP(域内総生産額)は年間608億元減少し、経済成長率を0.4ポイント押し下げる。民間投資は74億元、個人消費は1,119億元減少し、失業者数が2万8,000人増える見通しだ。

 中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の許勝雄理事長は、脱原発に反対する人はいないが、台湾はエネルギー資源の90%を輸入に頼っているのが現状だと強調。石油や石炭などは二酸化炭素(CO2)排出の問題があり、天然ガスはコストが高いと指摘した。東日本大震災後、市民の安全に対する意識が高まっており、安全性の確保を大前提に原子力発電に賛成する立場を表明した。台湾で電力使用量が多い業種は、電力電子、金属工業、化学、サービス、金属製品だ。

建設中止、賛成57%

 蘋果日報が25日に20歳以上の384人から回答を得た電話による世論調査によると、「第4原発の建設中止を問う住民投票がもし明日実施されれば?」との質問に対し、「建設中止に賛成。安全とは言い切れない」が57.81%に上った。一方「反対。建設を中止すれば電力供給や経済発展に影響が出る」は30.73%、「分からない。意見はない」が11.46%だった。

 ただ、住民投票について定めた公民投票法によると、台湾全土が対象になる住民投票は、有権者の過半数が投票し、有効投票総数の過半数が賛否を投じなければ成立しない。つまり、最低904万人が投票し、452万人以上が建設中止に賛成、または反対しなければ投票結果に法的拘束力はない。

 本土派政党、台湾団結聯盟(台聯)の黄昆輝主席は、江内閣は現行の公民投票法が、住民投票を一度も成立させたことがない無力なものと知っていて、形式的に実施するだけだと批判した。

 原発反対団体は、通る可能性のない住民投票で反対派の声をかき消し、「民意」を盾を第4原発推進をごり押しすることが狙いだと訴えた。

【図】