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シャープとサムスン提携、鴻海に衝撃


ニュース 電子 作成日:2013年3月7日_記事番号:T00042453

シャープとサムスン提携、鴻海に衝撃

 シャープは6日、サムスン電子から約104億円、3.04%の出資を受け入れる資本提携を発表した。「サムスンへの対抗が目的で、経営に参画したい」と明言しつつ、約1年にわたってシャープとの提携交渉を続けてきた鴻海科技集団(フォックスコン)の郭台銘総裁にとって、想定外の衝撃になったとみられる。シャープの高度な技術を利用して液晶パネル商機を開拓し、アップルの協力メーカーとしての地歩をさらに固めてサムスンに対抗するという鴻海の「連日抗韓(日本と連合して韓国に対抗する)」構想は見直しが必至となった。

 鴻海は同日、▽シャープから事前に(サムスンとの提携について)通知を受けていた▽シャープは独立した企業であるため評価する立場にない▽両社合弁の第10世代工場(堺ディスプレイプロダクト=SDP、旧シャープディスプレイプロダクト)で順調に協力を行っており、さらなる協力について引き続き交渉を持つ──との声明を発表した。しかし7日の日系大手メディアの報道によると、郭総裁はシャープとサムスンの資本提携の知らせを聞いて怒り、5日堺市で予定していたシャープの奥田隆司社長、片山幹雄会長とのトップ会談をキャンセルしたという。事実であれば、郭総裁にとって極めて不愉快な事態を意味する。

 シャープにとって、サムスンとの提携は亀山工場(三重県亀山市)の稼働率向上に向けた打開策で、また、クアルコムをはじめ、世界の複数の大手IT企業から出資を受けて、経営権を保持しつつ会社再建を目指すという戦略に沿ったものだ。すなわち、郭総裁のシャープ経営参画の希望に明確に「ノー」を突き付けた形で、いまやシャープと鴻海の資本提携がまとまる可能性は低くなった。

 鴻海は昨年3月、シャープに1株550円、出資比率9.9%に当たる総額669億円を出資して筆頭株主となることで合意したと発表した。交渉期限は今月26日だが、まとまらない場合でも鴻海に金銭的損失は発生せず、業績に影響は出ない。

AUO、受注減不可避か

 7日付経済日報によると、台湾液晶パネルメーカーへの悪影響も懸念される。AUOはサムスンからの受注比率が高く、今後サムスンがシャープからの調達を進めれば、受注減は避けられないと外資系証券会社は指摘している。

 鴻海傘下の大手液晶パネルメーカー、群創光電(イノラックス)の段行建董事長兼執行長は昨年12月、SDPと提携する可能性を示唆していた。部品調達などで「脱サムスン化」を図るアップルの受注獲得を目指していたとみられるが、今やアップルがシャープを警戒する可能性が出てきたため、先行きが不透明になったと言える。

 市場調査会社、ウィッツビュー・テクノロジーの張小彪副総経理は、サムスンは液晶パネル調達を確保しただけでなく、シャープの持つIGZO(酸化物半導体、イグゾー)液晶パネル技術を学ぶ機会を得られると指摘。台湾メーカーは生産能力では韓国に、技術では日本に及ばず、背後からは中国メーカーが急追していることから、長期的発展を遂げられるかには懸念があるとの見方を示した。

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