ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

航空貨物の検査厳格化、通関遅延に懸念も


ニュース 運輸 作成日:2007年12月13日_記事番号:T00004348

航空貨物の検査厳格化、通関遅延に懸念も

 
 来年1月1日より、旅客機に貨物を搭載する際の、安全検査が厳格化される。保安管理の資格者による安全確認作業を受けていない貨物は、すべて航空警察局により開封検査を受けなければならなくなるが、域内航空貨物業者で同資格を得ているのはまだわずかだ。このため、ハイテク・精密機器の輸出の際、通関作業が手間取って遅れの発生が懸念される。13日付工商時報が報じた。
 
T000043481


 これまで台湾では、国際速達貨物と航空郵便はすべて安全確認検査を行っていたが、一般貨物は抜き取り検査のみだった。

 交通部民用航空局の統計によると、昨年国際航空便で輸出された一般貨物は60万トンで、全体の半分以上が旅客機に搭載されており、割合は大きい。

当初は混乱も

 航空貨物業者の同業組合、台北市航空貨運承攬商業同業公会によると、域内700~800社の航空貨物業者のうち、保安管理の資格を得たのはわずか100社にすぎない。ある日系大手フォワーダーはワイズニュースの取材に対し、「現状では検査の厳格化はあまり知られておらず、準備期間が十分とは言い難い」と語り、見切り発車的なスタートになると指摘した。その上で、「開封検査の承諾書を得る荷主の範囲をどこまで広げるかなど手続き問題や、X線を当ててはならない貨物の選別作業など、当面は混乱する恐れがある」と懸念を語った。

 航空警察局は現在、米国向けの旅客機用に2台のX線機械を設けている。貨物も扱える大型機を発注中だが、年末に間に合わない場合、安全確認の新制度は段階的に導入を図ることで、通関への悪影響を抑えたいとしている。

 航空貨運承攬商業同業公会によると、保安管理人制度の導入は世界的なテロ防止対策の流れに沿ったもので、すでに欧州連合(EU)、米国、カナダ、豪州、香港、日本などで実施されている。