ニュース 電子 作成日:2013年5月16日_記事番号:T00043696
日立化成(本社・東京千代田区、田中一行社長)は、半導体の製造工程で使われる研磨液、CMP(科学的機械研磨)スラリーの生産工場が南部科学工業園区(南科)で稼働し、16日竣工式が行われた。同社が半導体前工程関連材料の製造工場を海外に設けたのは初めてで、台湾積体電路製造(TSMC)をはじめとした台湾半導体業界の顧客に迅速な製品供給が可能となった。
田中一行・日立化成社長(左)と鈴木浩之・台湾日立化成電子材料董事長兼総経理(YSN撮影)
竣工式では、田中社長が「日立化成グループの半導体関連材料事業にとって台湾の重要性はますます高まっており、新工場の稼働によって事業を一段と拡大、強化できた。よりいっそう皆さまのお役に立てるものと確信している」とあいさつした。続いて田中社長や現地法人、台湾日立化成電子材料の鈴木浩之董事長兼総経理、呂正華・経済部工業局副局長らが記念のテープカットを行った。
CMPは半導体の素子分離工程や回路形成工程で発生した凹凸を研磨、平坦化する技術で、CMPスラリーはこの際に使用される研磨液だ。日立化成は半導体の素子分離方法の一つであるSTI(Shallow Trench Isolation)用および銅配線用を製造しており、STI用は茨城県ひたちなか市の山崎事業所で生産してきた。同社製品は高速研磨に対応し、研磨の際に発生する傷が少ないことが高く評価されており、STI用ハイエンドの世界市場で60%のシェアを持つ。台南での工場建設は生産拠点の分散化によるリスク対応の狙いもある。
後工程材料も視野に
台南工場は2階建てで、当初操業する1階の床面積は6,147平方メートル。投資額は5億5,600万台湾元(約19億円)だ。当初は月間70トンを生産し、その後顧客の需要に応じて拡大を検討する。2015年段階で日立化成のSTI用CMPスラリーの生産能力は11年比で50%増となる見通しだ。
台湾日立化成電子材料(YSN撮影)
工場の従業員は当初約45人で、生産拡大に応じて100人に増強する方針。初年度の売上目標は10億円で、15年には40億円を目指す。将来的にはダイシングフィルムやダイボンディングフィルムの、半導体後工程関連材料の生産も視野に入れている。
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