ニュース 食品 作成日:2013年5月27日_記事番号:T00043879
モチモチとした食感を出すために、食用としての使用が禁止されているマレイン酸を加えたでんぷん製品が25日までに各県市政府の衛生局によって206.35トン押収された。行政院衛生署によると、問題のでんぷんを使った食品にはデザートの粉円(タピオカ)、芋円(イモ団子)類など、台湾を代表する小吃(軽食)が含まれる。新光三越百貨や微風広場(ブリーズセンター)に出店する有名豆花(豆腐のデザート)店、小南門豆花など有名店でもマレイン酸が検出され、問題商品の撤去に追われた。27日付蘋果日報などが報じた。
台中市のマレイン酸検出は8件中7件を名物の「台中肉円」が占めた(25日=中央社)
衛生署は25日までに、マレイン酸の卸売業者1社、仲卸業者3社、マレイン酸合成でんぷん製造メーカー8社、販売店16社の事件関与を突き止めた。問題のでんぷん製品はサツマイモ粉、タピオカ粉、天ぷら粉、おでん粉などで、タピオカ、芋円類、豆花のほか、板條(ライスヌードルの一種)、魚肉練り製品類(おでん)、肉円(台湾語で「バーワン」、モチモチした皮で肉団子を包んで揚げたり蒸したりしたもの)、粉棵(わらび餅のような食感のデザート)として市場に出回っているという。違反を確認した商品は販売停止、回収を命じており、従わない場合は3万~15万台湾元(約10万~50万円)の罰金を科す。
台北市政府衛生局のサンプル調査では、▽小南門豆花・微風店、43.31ppm(ppmは100万分の1の濃度)▽黒面蔡・永吉店、194.81ppm──のマレイン酸がタピオカから検出された。台中市の有名店、台中肉円漢口店が使用しているサツマイモ粉からもマレイン酸2,159ppmが検出された。台中肉円漢口店は、安くない材料を購入しているのにこうした事態になったと悔しさをにじませ、問題のでんぷん製品は既に返品したと説明した。
消費者に不安感
林口長庚紀念医院・臨床毒物科の林杰リョウ(リョウは木へんに梁)主任医師は、肉円を1つ作るのにサツマイモ粉が13グラム使われ、もしマレイン酸が2,159ppm含まれているのなら、毒を盛っているのに等しいと指摘した。1日1個食するだけで欧州連合(EU)が定める成人の1日30ミリグラムの基準を超え、20個食べれば尿細管を傷付け、腎臓の働きが低下し、透析が必要になると述べた。
消費者からは、一体何を食べていいのか分からない、タピオカミルクティー(パールミルクティー)をこれまで週に1~2回飲んでいたがしばらくは控えるなどの声が聞かれた。
技術開発、台南の元化学教師
衛生署の調査によると、マレイン酸合成でんぷんは台南市の元高校化学教師、王東清氏(81歳)が発明し、2008年に経済部に特許申請したが審査を通過しなかった。王氏は26日メディアのインタビューに対し、使用不可なら衛生当局がもっと早く手を打つべきだったと話した。
王氏によると、同技術は日本に留学当時に知ったもので、欧州連合(EU)や米国では基準値以下ならマレイン酸を食品に使用できる。タピオカはタピオカ粉を使えばコストがかかるので、多くのメーカーがキャッサバを使っており、食感がいまいちで固めにくかったが、マレイン酸を加えれば改善できる上、酸化させてから酸性を除去すれば毒性もなくなる。このため、72年に元教え子(故人)の会社に2カ月10万元の顧問料で技術を教えたが、最近の報道で悪徳業者の毒でんぷん作りに利用されていると知ったという。
衛生署食品薬物管理局の潘志寛・北区管理センター主任は、王氏が技術を提供しただけで実際の製造に関わっていないのならば罰する対象は業者だと述べた。
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