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今年最大の地震、DRAM価格急騰


ニュース 電子 作成日:2013年6月3日_記事番号:T00044001

今年最大の地震、DRAM価格急騰

 2日午後1時43分に南投県を震源とする今年最大規模、マグニチュード(M)6.3の地震が発生したが、震源地に近い中部科学工業園区(中科)、南部科学工業園区(南科)管理局は、進出企業から深刻な被害報告はないと表明した。一方、2GB(ギガバイト)DDR3のスポット価格は過去最高の1.81米ドルに急上昇した。南亜科技などの工場でウエハーが割れ、今後2カ月、DRAM供給量が5~10%減少すると観測が出ているためだ。3日付工商時報などが報じた。


震度5を観測した嘉義市では市政府9階の天井板が落下した。けが人はなかった(2日=中央社)

 地震発生で、中科の瑞晶電子(レックスチップ・エレクトロニクス)、華邦電子(ウインボンド・エレクトロニクス)、新北市林口の南亜科技や華亜科技(イノテラ・メモリーズ)の工場でウエハー破損が伝えられた。OEM(相手先ブランドによる生産)大手がすぐさま在庫補充に乗り出しており、2GBDDR3のスポット価格は数日中に2米ドルに届く見通しだ。

 価格上昇の背景には、世界最大のメモリーメーカーでもあるサムスン電子が6月からモバイルDRAMとNAND型フラッシュメモリーをスマートフォン「ギャラクシーS4」や次世代「ギャラクシーノート3」など自社製品向けに優先供給し、汎用DRAMを大幅に減産することもある。アップルが自社製品からサムスン製部品を排除するため、次世代「iPhone」「iPad」のために、エルピーダメモリのモバイルDRAM生産能力の8割、SKハイニックス、東芝、サンディスクのNAND型フラッシュメモリー生産能力の5割近くを確保していることも供給不足の要因だ。

 DRAMに続き、NAND型フラッシュメモリー価格も6月下旬に上昇する見通しで、メモリーモジュール大手、威剛科技(Aデータ・テクノロジー)の陳立白董事長は、第3四半期には両製品ともに供給不足となり価格はまだまだ上がると予測した。

AUO、「既に通常稼働」

 中科、南科は震度4~5、竹科は震度3の揺れを観測した。液晶パネル大手、友達光電(AUO)は中科、后里工場で一時稼動を停止して避難したが、既に通常通り稼働していると表明した。南科では、群創光電(イノラックス、旧奇美電子)、ファウンドリー大手の聯華電子(UMC)が一部設備を一時停止したものの、稼動を順次再開している。台湾積体電路製造(TSMC)は南科12、14インチウエハー工場で従業員を一時避難させたが影響は限定的で、竹科に被害はないと表明した。

 経済部は2日夜、南投県の竹山工業区で壁が倒壊し水道管が破裂するなど被害があったが、工業園区61カ所の他の箇所に被害はなかったと発表した。