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「卵子の冷凍保存」、働く未婚女性の利用増


ニュース 社会 作成日:2013年6月26日_記事番号:T00044396

「卵子の冷凍保存」、働く未婚女性の利用増

 もともとはがんで卵巣を切除しなければならなくなった女性患者が将来子どもを生む可能性を残せるようにと生み出された、卵子の冷凍保存技術が最近、仕事を持つ未婚女性の注目を集めている。新竹科学工業園区(竹科)近くの送子鳥生殖センターでは今年1〜6月、前年同期比50%増となる150人の女性が卵子の冷凍保存を行ったという。

 新竹県の東元総合医院でも、診察に訪れる女性患者から卵子の冷凍について問い合わせが多かったため、昨年から生殖医学センターで冷凍卵子バンク業務を開始した。同センターの彭良節経理によると、卵子の冷凍には10万台湾元以上の費用がかかり、さらに保存費として毎年6,000元を支払う必要がある。

 このため100人を超える卵子バンク利用者のうち、ハイテク企業に勤め、比較的経済力のある女性がほとんどを占めるという。年齢は30〜40歳で、8割が独身、2割が既婚ながら当面子どもを生む予定のない女性だそうだ。

 仕事を持つ独身女性の多くが卵子の冷凍保存を希望する背景には、若いうちに妊娠すると会社での昇進に影響が出る恐れがあるが、一方で年齢を重ねると卵子の状態が悪くなり、妊娠しにくくなるとの懸念から「若い卵子を保存しておいて、仕事が安定した後に生みたい」という考えがあるようだ。

 送子鳥生殖センターの王懐麟副院長によると、卵子の冷凍保存を行うのは若いほどよく、38歳までに取り出した卵子は受精率が比較的高いという。

 ただ、台湾では関連する法律が整備されていない上、卵子を取り出すには排卵誘発剤の注射や手術を受け、苦しい思いをしなければならず、さらに将来確実に妊娠できるという保証もないため、むやみな処置に批判的な医師もいる。

 中山医院婦產科(台北市)の黎恵波主任によると以前、恋人を別れたという26歳の女性が「これから何年も良い相手に巡り合えないかもしれない」と思いつめ、卵子を冷凍保存したいと考えて来院したが、考え直すよう助言したそうだ。なお、黎主任は「35〜40歳で検討するのが最適」と提言している。