ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2013年7月1日_記事番号:T00044496
年末の調印を目指す中台の海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)物品貿易協定で、経済部は中国の鋼材200項目以上に対し台湾輸入の際のゼロ関税適用を検討している。実現すれば、鉄鋼製品を利用する機械、建材などの産業や、中国に進出済みの台湾資本の鉄鋼メーカーが恩恵を受けるが、中国鋼鉄(CSC)、豊興鋼鉄などは低価格競争にさらされ大打撃を受けると予想されている。1日付経済日報が報じた。
経済部は、今年末に物品貿易協定に調印し、来年初めの立法院での審査を経て、早ければ来年上半期の発効を見込んでいる。
物品貿易協定の交渉を迅速に進めるため、台湾は中国の鋼板、条鋼、丸鋼、めっき鋼など200項目以上の関税をゼロにする方針だ。関係者は、世界貿易機関(WTO)加盟で鋼材など川上製品は既にゼロ関税を適用しているが、中台関係の特殊性によって中国からの輸入のみ禁じている状況だと説明した。中国は鋼材の台湾輸出で全面ゼロ関税の実現を要望しているとされ、台湾は優先的に解禁項目に盛り込む方向のようだ。
経済部の関係者は、既に補完措置も計画しており、各国からの輸入鋼材の販売価格は公開情報で、ダンピング(不当廉売)が認められれば課税するまでだと述べた。
川下業者は開放歓迎
経済部の幹部は、台湾の鋼材は長年にわたりCSCが価格主導権を握っていたため、川下メーカーが開放を求めているとも明かした。中国からの輸入が解禁されれば、川下の業者の選択肢が増え、製品価格の相場が下がる見通しだ。
これについて李慶超CSC執行副総経理は、鋼材の認証制度の統合を進め、中台双方の協会でルールを定めて、品質と取引の秩序を維持し、双方に利がある「Win−Win(ウィンウィン)」を実現したいと述べた。同社は一方で、張家祝経済部長に対し、受注が低価格の中国メーカーに一挙に流れてしまうとして、例えば5年間は輸入枠を設けるなど移行期間の設定を要望したようだ。
高雄市国際鋼鉄経営協会の蕭燦松理事長も、段階的な実施を行えば輸入開放に伴う痛みを低減できると指摘した。ただ、韓国にできた年産150万トンの鋼板工場が台湾の顧客候補を見学に招いたり、インドで新生産ラインが誕生しているほか、台塑集団(台湾プラスチックグループ)が計画を進めているベトナム製鉄所も台湾が販売ターゲットになると予測され、自由競争からは逃れられないと強調。業界の経営体質の調整が急務だと述べた。
川下製品の対中輸出、ゼロ関税求める
経済部の関係者は、川上の鋼材の台湾輸入解禁と引き換えに、中国側に対し台湾製川下鉄鋼製品へのゼロ関税適用を求めると話した。中国の川下製品については台湾側は既に輸入を開放しており、税率は10%以下と中国よりも低い。
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