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華一銀買収のスピード認可、富邦優遇に疑問の声


ニュース 金融 作成日:2013年7月2日_記事番号:T00044502

華一銀買収のスピード認可、富邦優遇に疑問の声

 金融持ち株会社、富邦金融控股が、上海を拠点とする台湾系銀行、華一銀行(ファースト・シノ・バンク)の株式80%の取得を申請したのに対し、金融監督管理委員会(金管会)がわずか4カ月後の3月18日にスピード認可を下したことをめぐり、富邦金控だけを優遇しているのではないかという批判の声が上がっている。2日付工商時報が伝えた。

 華一銀は、製靴受託生産大手の台湾企業、宝成国際集団(PCC)の蔡其瑞総裁が香港に設立した投資会社を通じ、中国の上海浦東発展銀行(浦発銀行)と合弁で設立したものだ。富邦金控は蔡総裁の全株式と浦発銀行の10%余りの株式を56億5,100万人民元(約920億円)で取得し、出資比率を富邦金控が29%、傘下の台北富邦銀行が51%とした。

 わずか4カ月での認可は、台湾資本による中国銀行業への投資としては最速記録だ。

 台湾の銀行業による中国の銀行への直接投資にさまざまな規制がある中、華一銀はその特殊な背景から、既に中国全土での営業を認められており、同業から不満の声が上がるのも無理からぬことだ。

 富邦金控は以前にも香港法人経由でアモイ銀行に出資し、法律的にグレーゾーンを突いたと指摘されていた。金管会は大規模な投資案件を慎重に審査してきたが、今回は富邦側に追加書類の提出を求めることもなかった。

 金管会は「関係規定を満たしていると判断した」と説明しているが、銀行業界では、中台双方で相当の根回しがあったのは確実だと受け止めている。