ニュース 社会 作成日:2013年7月17日_記事番号:T00044793
台湾の歴史教科書ではかつて日本による台湾の植民地化について「日拠(日本による占拠)」という用語が使用されていたが、李登輝政権(1988〜2000年)による「脱中国化」政策に応じて15年ほど前に「日治(日本による統治)」に改められ、同用語の使用が現在まで続いている。しかしこのほど、教育部・教科書審定委員会が「日拠」を使用していることを理由に一部の出版社が編集した高校の歴史教科書3冊の出版を不許可としたことをきっかけに、論争が起きている。17日付聯合報が報じた。
今回「日拠」を使用したのはいずれも台湾大学政治系の張亜中教授が顧問を務める出版社3社。張教授は「昨年高校の教科書を読んで、台湾史と中国史を切り離し、かつ日本の植民地統治を過度に美化するなど憲法違反が多く見つかったため、誤った歴史観を正すべく、友人が作った出版社から教科書を出版することにした」と語っている。
一方で政治大学台湾史研究所の戴宝村教授は、「1895年に清が台湾を日本に割譲しており、日本が力ずくで占拠したわけではない」として「日治」の方が事実に即していると主張している。また「日拠」使用については「感情的なイメージの強い用語を使用して、反日感情を表したいのだろうが事実を無視してはならない」と批判している。
ただ審定委員会は「日拠」の使用を認めていないものの、教育部の王作台・主任秘書は「『台湾独立』という言葉も口にできるようになった現在、『日拠』が使用できないのは偏っている」と指摘。今後教育要綱の見直しを進める考えを示した。
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