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UMC、アモイに12インチ工場か


ニュース 電子 作成日:2013年7月17日_記事番号:T00044816

UMC、アモイに12インチ工場か

 17日付電子時報によると、ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)が中国・福建省アモイ市で同市政府と合弁で12インチウエハー工場を設置するとの業界観測が浮上した。実現すれば、インテル、サムスン電子に続く台湾メーカー初の中国12インチ工場となる。UMCはグローバルファウンドリーズ(GF)に世界2位の座を奪われ、台湾積体電路製造(TSMC)との差が広がる中、28ナノメートル製造プロセスの開発進度が順調でなく、成熟プロセスで巨大な中国市場を狙う道を選ぶ思惑があるとみられる。


中国12インチ工場が実現すれば、UMCにとって96年のIC設計分社化に続く大きな転機となりそうだ(YSN撮影)

 UMCは、合法的に新たな生産能力の確保を目指しており、中国のハイテク産業園区から多数の誘致の声がかかっているが、現時点では未定だと説明した。 

 UMCは先月、上限3億米ドルでアジアの8、12インチ工場に出資または買収する計画を董事会で決議した。なお8インチについて業界では、マレーシアのシルテラや南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)の工場がターゲットとみられている。

補助・優遇も魅力

 台湾の現在の政策では、半導体メーカーが中国で12インチ工場を設立するのに総量規制はないが、最新プロセスの2世代前までしか認められない。UMCの最新プロセスは28ナノのため、中国では55ナノは可能だが、40ナノは生産できない。

 業界関係者は、中国での12インチ工場設立は個別審査で認可を受ける必要があり、手続きが煩雑な上、費用も1,000億台湾元(約3,300億円)はかかると指摘した。その一方、中国政府が補助制度や合弁、出資などに対する優遇措置などを準備している上、中国市場は巨大でIC設計会社も続々と生まれていると強調。UMCが12インチ工場を設置すれば、成熟プロセスに集中して現地の顧客を相手にするだけで、時期的にも地理的にも優位に立てると分析した。

サムスンは先進プロセス

 UMCにとって気になるのは、インテルが07年に大連市に建てた90ナノプロセスの12インチ工場だ。サムスンも昨年から西安市で12インチ工場の設置を進めているが、先進プロセスで3次元NAND型フラッシュメモリーを生産するとみられている。

 UMCは、台湾政府が中国での8インチ工場を認めていなかった2001年に元社員名義で和艦科技を設立し、長年の訴訟を経て09年にやっと100%買収を果たした経緯がある。