ニュース 電子 作成日:2013年7月19日_記事番号:T00044867
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は18日の業績説明会で、今後の業績見通しについて慎重な見方を示した。第2四半期売上高は過去最高を記録し、第3四半期はさらに上回る見通しだが、売上成長率は証券会社予測の7%を下回る3.3~5.2%、第4四半期~来年第1四半期は前期比割れとの見方だ。19日付工商時報などが報じた。
張董事長は台湾経済については、「トンネルの中で光が見えない状況」と例えた(18日=中央社)
第2四半期の売上高は1,558億8,600万台湾元(約5,200億円)で前期比17.4%増、前年同期比21.6%増。純利益は518億800万元で前期比30.9%増、前年同期比23.8%増と、大幅増収・増益となった。第3四半期の売上高は1,610億~1,640億元と再び過去最高を更新する見通しだが、第2四半期ほど大幅な伸びは見込めない。張董事長は、IC設計メーカーの在庫日数を、第2四半期末で70日から73日に、第3四半期は68日から71日と3カ月前の予測から上方修正し、パソコン市場の需要低迷、一部スマートフォンの販売不振で在庫が積み上がってきた状況が、半導体業界を通常より早く在庫調整期間入りさせると指摘した。
今後の業績サイクルについては、昨年と同様に第4四半期から非需要期入りし、来年第2四半期から大きな成長を見せると分析した。ただ、来年第2四半期も今年のような大幅増収が可能かどうかについてはコメントを控えた。
一方、今後の同社の成長要因として、スマートフォンのローエンド機種を挙げた。今年の出荷台数は前年比69%増を予測。特に中国市場が重要との見方を示した。同社は今年上半期、中国市場向け売上高が前年比2倍に達し、今年通年の売上構成比は6%に達する見通しだ。
インテル・サムスンに対抗
先進プロセスについては、28ナノメートルプロセス製造は第2四半期に売上高の29%を占め、今年通年では前年比4倍の成長を遂げるとし、同業をリードしていると説明した。また、20ナノプロセスは来年初めに量産を予定しており、「脅威を受ける競争にはまだ直面していない」と自信をのぞかせた。
40ナノプロセス以降、他社より1~2世代先を進んできた同社だが、16ナノプロセスでは混戦となる見通しだ。このため、設備、材料、シリコンIP(知的財産)提供業者などの提携パートナーと「TSMC大連盟(グランド・アライアンス)」を結成して、サムスン電子、インテルに対抗していく考えを示した。
来年に執行長退任
張董事長は来年中旬にも兼任している執行長(CEO)の座を退く考えも明かした。2009年6月に執行長に返り咲いた当初から3~5年で退任すると表明していた。なお、董事長の職務は引き続き遂行する。
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