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イノテラ14四半期ぶり黒字、「惨業」を脱出


ニュース 電子 作成日:2013年7月24日_記事番号:T00044943

イノテラ14四半期ぶり黒字、「惨業」を脱出

 DRAM大手の華亜科技(イノテラ・メモリーズ)は23日、第2四半期の純利益が34億7,200万台湾元(約116億円)に上ったと発表、過去13四半期続いた赤字からの黒字転換を果たした。同業の南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)の純利益も16億7,600万元と前期の3倍に拡大した。DRAM業界は深刻な不振によって液晶パネルなどと共に4大「惨業」とやゆされたが、業界再編が進んだ結果、低価格競争からの脱却に成功しつつあるようだ。24日付経済日報などが報じた。


高イノテラ董事長は「PC用DRAMはもはや主流ではなくなった」との認識を示した(23日=中央社)

PC用3割に低下

 黒字化について高啓全イノテラ董事長は、製品構成比の見直しが奏功したと説明した。かつてはパソコン用DRAMが5~6割を占めていたが、3割まで縮小し、一方で非パソコン用が拡大した。また、30ナノメートル製造プロセス製品のシェア上昇に加え、12インチウエハーの出荷量は33万9,000枚と前期比10%増にすぎなかったが、1枚当たりの売上高は同34%増と平均単価上昇が利益増加に貢献した。

 第3四半期の見通しについては、出荷量は1桁増にとどまるが、引き続き利益を計上でき、成長率もわずかではないと語った。下半期はDDR4や自動車用DDR3など2~3製品の投入や、第4四半期には20ナノプロセスでの試験生産の準備を開始する方針で、今年通年の設備投資額を当初計画の45億元から80億元に引き上げると説明した。

30ナノ、生産シェア50%に

 南亜科技もイノテラ同様、製品構成比の改善により出荷量が23.5%増加した上、平均単価が19.4%上昇し、業績が向上した。李培瑛同社副総経理は下半期について、中国のミドル・ローエンドのモバイル端末の他、セットトップボックス(STB)、ゲーム機市場の需要拡大に伴い、非PC用途製品の売上シェアが第2四半期の55%から年内に70%に上昇するとの見方を示した。また、30ナノプロセス製品の生産シェアは第2四半期の約20%から第3四半期は50%に上昇し、10月には予定を2カ月前倒しして、ウエハー投入枚数月間4万枚を達成する見通しだ。

供給不足の割合低下へ

 なお、李・南亜科技副総経理は、PC需要の低迷や、ハイエンドスマートフォンの販売不調が伝えられていることから、メモリー製品の需要に影響するとして、今後供給不足の割合が現時点の予測値3%を下回るとの見通しも示した。