ニュース 社会 作成日:2013年8月5日_記事番号:T00045128
台湾プロ野球、ラミゴ・モンキーズに所属する林智勝内野手(31歳)と言えば、今年行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で台湾代表の4番として活躍するなど、実力と人気を兼ね備えた球界を代表するプレイヤーだ。しかし幼少時代は食事も満足に取れないほど貧しい家庭で育ち、中学・高校時代は困窮家庭の支援団体を通じて一人の医師から金銭的援助を受けていた。林選手は6年ほど前から感謝の気持ちを伝えたいとこの恩人を探していたが、このほどついにビデオレターを通じて初対面を果たした。
林智勝選手は、黄正勲医師のおかげで腹を満たし、グローブなど野球用品も買えたと当時を振り返った(3日=中央社)
林選手は1982年、台東県の原住民アミ族の家庭に生まれた。その後、両親の離婚に伴い、母親とともに台南に移住。そこで母親や兄弟と別れ、野菜農家として生計を立てる祖父に預けられた。
非常に活発な子供だった林選手が9歳になると、祖父は彼を小学校の野球チームに入れた。しっかり運動をすれば当然、お腹も空く。しかし生活が貧しいためお腹いっぱい食べられることがほとんどなく、弁当の時間になると同級生の様子を観察し、食べ残しを見つけるやすぐに「もらってもいいか」と頼んだという。
そんな彼が中学生になったころ、台中に住む黄正勲医師(現在80歳)が困窮家庭の支援団体、台湾児童・家庭扶助基金会(家扶基金会)を通じて林少年が置かれた状況を知り、毎月3,500台湾元を援助することを決意。その後、林少年が高校を卒業するまでの6年間、支援を続けた。
現在野球選手として開花した林選手も、貧しい児童への支援や寄付を行っており、その功績に対し家扶基金会が3日、表彰式を開いた。同基金会は林選手へのサプライズとして黄医師からのビデオレターを用意。テレビ画面を通じて「受けた愛情を他の人に伝え、助けが必要な多くの人を支援してほしい」と話す黄医師の姿に、林選手は思わず涙を流した。そして「人生の最も厳しい時期を支えてくれて感謝している。自分も多くの野球少年を助けたい」と語った。
実は林選手、今年7月に交通事故に遭って左膝じん帯を断裂するなどの大けがを負い、今期の出場は絶望的となっている。早く回復して黄医師との約束を果たしてほしいものだ。
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