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下士虐待死事件、冤罪申し立て委設置へ


ニュース 社会 作成日:2013年8月5日_記事番号:T00045129

下士虐待死事件、冤罪申し立て委設置へ

 陸軍で兵役に就いていた洪仲丘下士(23歳・伍長に相当)が今月初め、謹慎中に突然死し、部隊内での虐待が原因だったと疑いが強まった事件で、国防部が真相究明に消極的だとの世論が高まり、大規模な抗議集会が開かれるなど混乱が拡大。江宜樺行政院長は3日、臨時記者会見を開き、国軍関係の事件で冤罪(えんざい)を申し立てることができる「軍事冤案申訴委員会」を設置することなどを表明した。4日付蘋果日報などが報じた。


抗議集会への参加者は景福門を取り囲むように集まり、人の波は台湾大学医学院附設医院(台大医院)まで続いた(3日=中央社)

 軍事冤案申訴委は、過去の冤罪事件に対する再調査請求を受け付けるほか、過去の軍事審判で疑わしい事件の洗い出しを進める。

 江行政院長はまた、軍事審判法の改正を推進し、平時に軍内で起きた事件の審判を全面的に通常の司法審判に移行することも表明した。このうち、上官による虐待、違法な懲罰、陳情妨害、殺人、性的自由に対する罪などは優先的に通常の司法システムによる審理対象とする。

 江行政院長はこのほか、洪下士虐待死事件の徹底捜査を法務部や国防部に指示したことを説明。国防部に対しては、軍内での管理教育制度、拘禁制度、申し立て制度などの見直しを進め、人道主義に反する行為や権力乱用をなくしていく姿勢を示した。

馬総統、告別式に出席

 死亡した洪下士の告別式が4日午前に行われ、馬英九総統が弔問に訪れた。会場は馬総統に対し、市民から罵声が飛ぶ異様な雰囲気となり、遺族も馬総統との握手を拒否した。軍は当初、洪下士が「他殺」だとする死亡証明書の交付を拒否していたが、馬総統の指示を受け、同日夕に死因を「他殺」とする証明書が交付された。

25万人が抗議集会

 今回の虐待死事件に抗議する台湾全土の群衆は、3日夕に台北市の総統府前に白いシャツを着て集まり、抗議集会を行った。主催者側「公民1985行動聯盟」の発表で25万人、警察発表で11万人が現場に集まり、政府に事件の真相解明を求めた。