ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

副総統の娘が特権乱用?空港で旅券更新させる


ニュース 社会 作成日:2013年8月26日_記事番号:T00045514

副総統の娘が特権乱用?空港で旅券更新させる

 呉敦義副総統の娘が家族で海外旅行に出かける際、空港に外交部の職員を呼びつけて有効期限の切れたパスポートの更新をさせたことが明らかとなり、「特権の乱用だ」と厳しい非難にさらされている。外交部は「副総統の娘とは知らず、旅行中止で子どもが悲しむのが忍びなかった」と苦しい釈明をしているが、ネットユーザーなどからは「権力者に便宜を図った上にウソまでつくのか」との声が上がっており火に油を注ぐ形となっている。

 呉敦義副総統の娘、呉子安さんは23日午前10時ごろ、家族でパラオ旅行に出かけるため桃園国際空港で搭乗手続きをしようとしたところ、中華航空(チャイナエアライン)のカウンタースタッフから息子のパスポートが有効期限切れとなっていることを指摘された。

 あわてた子安さんは、父親である呉副総統の事務所を含め、各所に支援を求める電話をかけた。すると間もまく外交部領務局・桃園空港事務所の職員が駆け付け、わずか1時間でパスポートを更新し、子安さんに手渡したという。

 なお一家が乗った飛行機は同日午後1時15分発の便だったが、彼らの手続きが長引いたため、予定より9分遅れで離陸したそうだ。

 この対応について外交部領務局の陳経銓局長は、「海外旅行者緊急ホットラインに子安さんから連絡を受けた職員は、貴重な夏休みの旅行が中止になれば子供が悲しむと考えて支援した」と説明。子安さんが副総統の娘であることは報道を見て知ったと強調した。

 また呉副総統の事務所は「空港に駐在している外交部職員に相談するよう秘書が助言したが、副総統は当時不在で今回の問題に関わっていない」とコメント。呉副総統も「当時、娘とは話しておらず、後から事情を知った」と自身が外交部に特別な便宜を求めたことを否定した。

 しかし、外交部領務局・桃園空港事務所のホームページには「緊急事態を除き、パスポートなどに関する申請は受理しない」と赤字で記されており、23年のキャリアを持つ旅行ガイドも「空港でパスポートの更新手続きをしたというのは初めて聞いた」と語っている。

 これに対し、外交部は「旅行者の家族・友人が海外で負傷したり、死亡した際など緊急に出国する必要がある場合は空港で手続きを受け付けている」と釈明したが、「休暇での海外旅行のどこが緊急事態だ」と批判は高まるばかりだ。