ニュース その他分野 作成日:2013年8月29日_記事番号:T00045614
行政院労工委員会(労委会)は28日、来年1月に最低賃金の時給を5.5%引き上げ115台湾元(約375円)に、来年7月に月給を1.19%を引き上げ1万9,273元にする案を発表した。労働者200万人以上が恩恵を受ける見通しだ。一方、時給制の雇用が多い小売業を中心に、10月の電気料金値上げと共にダブルパンチとなるが、コスト増は自社で負担するしかないと悲鳴が聞かれた。29日付工商時報などが報じた。
基本工資審議委員会の模様。最低時給引き上げで、アルバイトを雇うサービス業の日系企業にも影響は必至だ(28日=中央社)
最低賃金の時給は現在109元で6元の引き上げ、月給は1万9,047元で226元の引き上げとなる。労委会の試算によると、時給引き上げは30万人が恩恵を受け、雇用主と政府のコストは年間41億3,700万元増える。月給引き上げは176万5,000人(うち外国人労働者24万人)が恩恵を受け、コストは年間37億2,800万元増える。
基本工資審議委員会(最低賃金審議会)は同日の会議で、経済と社会情勢を考慮した最低賃金の引き上げ以外に、次回の会議開催は来年1月以降に年度の消費者物価指数(CPI)上昇率が3%以上だった場合に限定することも決議した。2009年以降の毎年の最低賃金見直しに対しては、商工団体が常に反対してきた。労働団体はこれで今後3年は最低賃金が凍結されると批判した。
これらの決議は、労委会が早ければ来週にも報告し、行政院が承認すれば9月中にも確定する。実施となれば、飲食業、美容業、警備業、コンビニエンスストアなど最低賃金に近い時給や月給で働く労働者が多い業種に比較的大きな影響が出る見通しだ。
パート雇用縮小を検討
パートタイマーが多いコンビニ業界では、人件費が大手4社で年間10億元以上増えると見込まれている。最大手のセブン-イレブンを展開する統一超商(プレジデントチェーンストア)は、時給引き上げだけで人件費が年間6億元増えると予測した。全家便利商店(台湾ファミリーマート)は9割が加盟店で、その8割が時給制のため、直営店や正社員の割合を増やすことを検討する。一方、量販店大手、愛買(aマート)は人件費8%増を見込むものの、パートの正社員化を図っていると強調した。家楽福(カルフール)は既に正社員とパートの割合が半々で、夏休みや祝祭日など繁忙期だけパートを追加していると説明した。
主要国・地域と比べると、台湾の最低賃金(時給)は決して高くはない。台湾元換算で見た場合、中国(深圳71元、上海69元)などを上回るものの、香港(116元)や韓国(140元)を下回る。日本は231元で、▽米国、217元▽英国、294元▽豪州438元──なども同等かそれ以上の水準だ。
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