ニュース 商業・サービス 作成日:2013年9月2日_記事番号:T00045669
中国人の台湾観光受け入れ開放から5年、台湾各地は観光ホテルの建設ブームに沸いてきたが、2017年には供給過剰になる懸念が浮上している。交通部観光局の統計によると、今後4年で47軒増と、1カ月に約1軒のペースで新設される計算だ。ホテルチェーン大手、晶華麗晶酒店集団(FIHリージェントグループ)の潘思亮董事長は、中価格帯ホテルは薄利化し、業界再編が起こるとの予測を示した。2日付自由時報が報じた。
開放初年度の2008年に延べ88万2,651人だった中国人と華僑の訪台旅行者数は年々増え続け、12年は延べ347万9,835人と、外国人の半数近くを占めた。この拡大する中国人観光客の需要を当て込み、過去5年で1,000億台湾元(約3,300億円)以上が投じられ、大小各種のホテルが誕生している。
観光局の統計によると、今年6月時点の国際観光ホテルは71軒で客室数は約2万400室だ。これに年間稼働日数365日をかけると延べ744万6,000室で、観光局が予測する今年の延べ訪台旅行者数800万人が2人で1室に宿泊した場合には、既に供給過剰だ。しかも、今後4年で953億1,100万元が投じられて、ホテル47軒、客室数1万1,500室(56%)が増える見通しだ。
損益均衡までに8年以上
潘FIH董事長は、台湾の観光業は過去数年景気が良かったが、ホテルや旅館が増え続けることで、17年にはブランド同士の競争となると指摘した。中価格帯は厳しい状況に追い込まれるが、非常に高い宿泊料金のホテルや、逆に超格安ホテルは影響を受けないと予測した。
一方、国賓大飯店(アンバサダー・ホテル)の陳栄輝副総経理は、宿泊料金3,000~4,000元のホテルが最も投資を回収しやすいと述べた。一般消費者は景気が良ければ高めのホテルを選び、冷え込めば財布のひもを引き締める一方、企業が出張時の宿泊ホテルを8,000~9,000元クラスから3,000~4,000元クラスに落とすため、常に需要があるからだ。また、観光ホテル投資で一部は4~5年後に黒字化できるが、大部分は損益均衡までに8~9年かかると指摘した。
台北・新北市、競争激化
陳副総経理はまた、台北市は観光客が必ず訪れ、宿泊需要があるため観光ホテルが増えていると分析し、今でも香港やシンガポールの3~4分の1と、絶対数は少ないとの見方を示した。
新設または準備中の観光ホテル47軒のうち、台北市と新北市が最多の12軒だ。次いで多いのが東部の宜蘭県(6軒)で、▽花蓮県、澎湖県(各5軒)▽台東県、台中市(各4軒)──と続く。
なお、台湾のホテルは、客室数30室以上で観光局の認可が必要な「観光ホテル」と、モーテルなど地方自治体登録の「一般ホテル」の2種類に分類される。さらに「観光ホテル」は客室の広さ、レストランの厨房の広さ、エレベーターの規模などから「国際観光ホテル」と「一般観光ホテル」に分かれている。
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