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マンゴーの名産地、墓地での不法栽培が横行


ニュース 社会 作成日:2013年9月4日_記事番号:T00045695

マンゴーの名産地、墓地での不法栽培が横行

 台湾随一のマンゴーの産地として知られる台南市玉井区で、公営墓地での不法なマンゴー栽培が横行していることが明らかとなり、「死者から養分を吸って育ったマンゴーが市場に出回っている」と問題になっている。

 台南市には公営墓地が7カ所存在し、このうち約37ヘクタールの「第2公墓」はほぼ全体がマンゴーの木に覆われており、不法栽培が最も深刻となっている。また「第1公墓」も面積は小さいものの同様の状態で、「第3公墓」にも100株余りの木が植えられている。

 こうした不法栽培は、人気品種「愛文(アーウィン)」の改良が成功した47年前から行われているようで、37年前には地元の役所が90人の農家に果樹の撤去を要求する誓約書を書かせている。しかしその後も状況は変わらず、現在に至っている。

 この問題について李佳隆・玉井区長は、1979年に区と地元代表者が、山の斜面にマンゴーを植えれば土砂崩れなどが起こりにくくなることや、困窮農家の生計維持に役立つとして墓地の利用を認める同意書を交わしていたと説明。ただ、土地が必要になった場合、農家は無条件で木を撤去しなければならないと明記されているという。

 今回の報道がマンゴーの販売に影響を及ぼすとの懸念も出る中、李区長は「墓地で栽培されているのは区内の栽培面積の1%に満たない」「墓地のほとんどは遺骨を回収しており中は空だ」と強調。メディアに対し「客観的に報じてほしい」と呼び掛けた。その上で、墓地を利用している農家に対し、今後、収穫・販売をしないよう求める考えを表明した。

 なお、蘋果日報がこのほど、墓地で栽培されたマンゴーと市販されているものについてその糖度を調べたところ、「墓地マンゴー」は17.7度で、市販品の10.7〜14.6度を大きく上回ったという。実食テストでも「一番おいしい」との回答は「墓地マンゴー」が最も多かった。

 これに対し専門家は、「山の斜面にある墓地は日光がよく当たるため、甘みが強くなる」と説明。遺体の養分を吸っているからというわけではないようだ。