ニュース 電子 作成日:2013年9月5日_記事番号:T00045741
5日付工商時報が設備業者の話を基に報じたところによると、アップルが来週にも発表するとみられる、スマートフォン新機種「iPhone5S」などに搭載される最新「A7」プロセッサーを、台湾積体電路製造(TSMC)が20ナノメートル製造プロセスで既に生産を開始し、第4四半期にも量産を開始するとの観測が浮上している。事実とすれば、従来予測の来年第1四半期からの前倒しとなる。
TSMCは同観測について「ノーコメント」としている。
A7は「iPhone5S」の他、タブレット型パソコン「iPad」、「iPad mini」の次世代機種に搭載されるとみられている。これら製品は、アップルが10日(米国時間)に行う発表会で披露される見通しだ。なお、廉価版iPhoneには、iPhone5同様「A6」プロセッサーが搭載されるもようだ。
A7プロセッサーについては、一世代前の「A6X」同様28ナノでサムスン電子が手掛け、TSMCは来年初めに20ナノで「A8」を量産するとの予測もあった。
来年Q1、月産4万枚へ
しかし、設備業者によるとTSMCは今年第1四半期にA7の試験生産を開始。第2四半期後半には20ナノでテープアウト(設計完了)し、アップルの認証を通過していたという。そして、8月中旬ごろにアップルから生産開始の通達を受けたもようだ。
TSMCは、新竹科学工業園区(竹科)の12インチウエハー工場「Fab12」第6期の研究開発(R&D)生産ラインで製造を開始しており、南部科学工業園区(南科)の12インチウエハー工場「Fab14」第5期で第4四半期に量産を開始する運びとみられる。生産規模は初期段階でウエハー月産約1万枚、第4四半期の量産以降は大幅に拡大する見通しで、来年第1四半期には4万枚近くに上るとみられる。来年中旬には「Fab14」の第6期でも量産を開始し、「Fab14」がA7生産の最大拠点となる。
ASE・キンサスも恩恵
短期間で良品率を高め、量産前倒しにこぎつけられるまでになったのは提携パートナーの▽漢唐集成(UIS)、無菌室・自動化設備▽漢民微測科技(エルメス・マイクロビジョン、HMI)、電子ビーム検査装置▽力旺電子(イーメモリー・テクノロジー)、組み込み不揮発性メモリー(eNVM)のシリコンIP(知的財産)──など各社のバックアップによるものだ。今後1年以内に少なくともウエハー月産10万枚規模に引き上げるべく、これら企業による「大連盟(グランド・アライアンス)」がTSMCを支えていく。
また、パッケージング・テスティング(封止・検査)はTSMCと日月光半導体(ASE)が分け合い、フリップチップのチップ・スケール・パッケージ(FCCSP)は、景碩科技(キンサス・インターコネクト・テクノロジー)にも受注が回ってくるなど、TSMCのアップルプロセッサー受注による台湾メーカーへの波及効果は大きい。
なお、A8に関しては再びサムスンが受注すると市場ではみられているが、TSMCも受注獲得に自信をみせており、16ナノの立体構造トランジスタ(FinFET)のR&Dに注力し、2015年初頭にも生産に入れる見通しだ。
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