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苗栗産上海ガニ、「打倒中国産」に自信


ニュース 社会 作成日:2013年9月13日_記事番号:T00045873

苗栗産上海ガニ、「打倒中国産」に自信

 苗栗県では、2006年に発がん性物質が検出された影響で中国からの輸入がストップしたことをきっかけに上海ガニの養殖が盛んとなっているが、6年ぶりに中国産の輸入が再開された昨年、苗栗産は2倍以上割高な価格のため「惨敗」を喫してしまった。しかし今年、中秋節後のシーズン到来を前に苗栗の養殖業者は、「必ず中国産に勝つ」と意気込んでいる。

 苗栗県では11年に上海海洋大学と「上海ガニの養殖技術に関する協力計画」を推進することで提携を結び、これにより養殖技術が飛躍的に向上し、参入者も急激に増えた。

 しかし、苗栗県政府のバックアップの下、養殖業者が販売業者と保証価格による買い取り契約を結ぶなど、いよいよ本格的に産業の発展が始まると期待されていた矢先の昨年、思いがけず中国産の輸入が再開され、思惑が大きく狂うことになった。

 当時、販売業者は上海ガニを1匹約605台湾元で養殖業者から買い取る契約を結んでいたが、中国産の販売価格はわずか250元。しかも数量は台湾産の数十倍に上ったため、苗栗産は価格を350元まで引き下げざるを得なくなり、販売業者は700万元を超える赤字を計上したという。

 しかしこの惨敗にもかかわらず、養殖業者は苗栗産上海ガニの可能性に対する信頼を失っておらず、参入業者は昨年の43業者から今年は103業者へ大幅に増加。養殖面積も18ヘクタールから30ヘクタールへと拡大した。

 なお「打倒中国産」を目指す苗栗の養殖業者は今年、昨年の価格水準を維持し、値下げは行わない方針だ。その自信の根拠について苗栗県大閘蟹(上海ガニ)養殖発展協会の范達賢理事長は、「大陸産は養殖池から取り出して台湾の消費者に届くまでに少なくとも7〜9日かかるが、苗栗産は24時間以内に食べることができる」と強調。「こっちの方がおいしいに決まっている」と語った。

 なおグルメ評論家の胡天蘭氏は、苗栗産と中国産を比較し、「カニみその味はほぼおなじだが、食感はより新鮮で弾力の強い苗栗産に軍配が上がる」と語っている。