ニュース 社会 作成日:2013年9月14日_記事番号:T00045897
タイヤル族のある男性が、亡くなった母親を先祖の墓がある山中に埋葬したところ、その場所が国有林に当たったため、不法占拠などの罪で起訴されてしまった。しかし裁判所はこのほど「男性の行為は長年続く伝統に従ったものでほかに選択肢がなかった」として無罪判決を言い渡した。原住民が国有地に墓を作り、無罪となったのは初めてのケースだ。
今回、無罪判決を勝ち取ったのは新北市烏来区下盆部落に住むタイヤル族の男性(57歳)。この男性は昨年2月、部落周辺にある一族が眠る墓地に母親を埋葬した。
しかし近くを通りかかった行政院農業委員会(農委会)林務局の職員が偶然墓地を発見、そこが国有林内に位置していたため警察に通報。検察は男性を森林法違反および土地の不法占拠の罪で起訴した。
男性は「一族の者が死ねば先祖と一緒に埋葬しなければならないという伝統があり、数十年前からここに埋葬している」と主張。これまで、父親、弟、息子も同地に埋葬したという。また一族の別の男性も「タイヤル族では先祖と別の場所に埋葬するのはタブー(禁忌)で、これを犯した場合、衣食住に困ることになると言われている」と語っている。
今回開かれた合議審の調査でも、男性の一族が1965年から同地を埋葬地として使用しており、これまで19人が埋葬されていることを確認。さらに周辺の部落では、埋葬地として使用している土地が書類上、公有墓地に使用目的が変更されているが、男性の部落のみ行政上のミスで変更されていなかったことも判明した。
この結果、合議庭は「伝統は原住民社会の基礎であり、伝統的な土地の使用は尊重されるべきで、森林資源にも影響は与えていない」どの理由で無罪判決を下した。
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