ニュース 社会 作成日:2013年9月16日_記事番号:T00045919
日本の人気作家、吉田修一の作品で、台湾高速鉄路(高鉄)の建設を巡る人間ドラマを描いた小説『路(ルウ)』の中国語・繁体字版が15日に発売された。十数年前に初めて台湾を訪れて以来、その土地と人に魅了されたという吉田氏はこの作品について、「台湾へのラブレターかもしれない」と語っている。
1967年生まれの吉田氏は、02年に『パーク・ライフ』で第127回芥川賞を受賞。その後、発表した小説『悪人』は販売数200万部を突破し、映画化もされている。今回、中国語版が発売された『路』は文芸雑誌「文学界」09年1月号から12年2月号にかけて連載された作品だ。
物語は99年に台湾が高鉄の建設に日本の新幹線技術を採用した場面から始まり、07年に完成するまで期間を描いている。
中心となる登場人物は、高鉄建設を受注した日本の商社の女性新入社員と彼女が学生時代に旅行した台北で出会った台湾人男性、同商社の男性上司と台湾人ホステス、高鉄の補修工場で訓練を受ける若い台湾人、植民地時代に台湾で生まれた日本人男性など、さまざまな世代合わせて10人近くに上る。これら人物の物語が高鉄建設を軸に交差しつつ展開される。
なお「台湾は故郷の長崎に似ている」と語る吉田氏は毎年数回来台するほどの「台湾好き」として知られ、作中ではその風土や人間を熟知した作家によって台湾の風景が鮮やかに描かれる。
中国語版『路』を出版した聯経出版の胡金倫編集長は、「『路』の主人公の一人に『台湾の路地は世界一美しい』と語らせているように、吉田氏による台湾の描写は非常に魅力的で、多くの観光客を台湾に呼び寄せている」と語っている。
吉田氏は中国語版『路』の出版を記念して10月初めに来台する予定だ。
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