ニュース 自動車・二輪車 作成日:2013年9月25日_記事番号:T00046068
バイク最大手、光陽工業(KYMCO)が中南米市場の攻略に本腰を入れる。既に進出しているコロンビアには、来年に同国向けに開発した新車種を投入する他、ブラジルなど近隣諸国へも販路を拡大する。台湾バイク市場が飽和する中、KYMCOは中南米をブルーオーシャン(競合がない市場)とみて開拓する方針で、将来的には輸出の5割を占める最重要輸出市場にしたい考えだ。25日付工商時報が報じた。
台湾バイクメーカーは、内需が飽和し、中国では低価格の粗悪車種が横行、東南アジアは日系ブランドのホンダやヤマハが市場を握っているなど、厳しい競争にさらされている。しかし、中南米の多くの国々は経済発展が始まったばかりで、自動車の購入は難しくともバイクなら手が届くとKYMCOは分析。潜在成長力が高いことに加え、国際的な大手ブランドは工場設置に至っておらず、先手を打って商機獲得を狙う考えだ。
柯俊斌KYMCO副総経理によると、コロンビアへは10年以上前に貿易商を通じて製品を投入した。ここ2年ほどで代理店の市場開拓によって成果が表れてきたところだという。昨年のコロンビアへの輸出台数は5万2,449台で前年比73%増。今年は6万台の予測で、同国でイタリアを抜いて最大のバイク輸出元となる。
スクーターシェア4割へ
コロンビアでは近年の国民所得向上、道路建設の推進により、高価格帯のスクーター販売が大幅に伸びている。同国バイク市場の規模は年間54万台で、今年はスクーターが8万台以上を占める見通しだ。KYMCOはこのうちの3万台以上を占め、スクーター市場でシェア40%を獲得して首位に立つとみられている。
コロンビア以外の中南米ではブラジル、アルゼンチン、チリなどへの輸出も検討している。今後中南米市場が安定成長を迎えれば、現地で受託組み立てを行う提携パートナーを見つける他、さらには組み立て自社工場の設置も視野に入れ、さらなる市場拡大を狙う。
その他の海外市場ではフィリピンも成長市場だ。フィリピンには100%出資のKYMCOフィリピンを構えており、現地の景気回復を追い風に業績はうなぎ上りだ。KYMCOはフィリピンに部品を輸出し現地で組み立てる生産スタイルを取り、昨年の販売台数は2万台以上と、前年の7,132台から約3倍に増加した。今年は2万5,000台以上が狙える見通しだ。
台湾生産、過去最高の60万台
同社の台湾工場での生産台数は今年、過去最高の60万台に上る見通しだ。内需は黄色ナンバー(排気量250~550㏄)の快速道路通行が解禁され、北部で大型車ブームが起きており、今年のバイク市場は68万~70万台(12年は63万台)の見通しだ。これを受け同社は市場シェア41%を死守すべく販売台数約28万台を狙う。
輸出向けではコロンビア市場が好調の他、ニッチ車種の開発に注力しており、米国ではハイエンド全地形型車両(ATV)バギー市場を狙う。また、電動カートでは欧州市場開拓の成果が出始めており、英国では年間6,500台の販売に成功。今後も他国・地域への輸出拡大を目指す。
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