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「蒋介石銅像は不要」、蒋家4代目の意外な発言


ニュース 社会 作成日:2007年12月26日_記事番号:T00004610

「蒋介石銅像は不要」、蒋家4代目の意外な発言

 
 蒋介石・蒋経国元総統の遺体の移転・埋葬問題で、蒋家内部で不協和音が伝えられる中、蒋経国元総統の三男蒋孝勇氏の長男で、蒋家第4代に当たる蒋友柏氏は25日、自身のブログで陳水扁政権が進める「脱蒋介石」路線に触れ、台湾民主紀念館(中正紀念堂)にある蒋介石元総統の銅像について、「後の世代がどう考えるかは分からないが、自分は少なくともあの銅像の存在は誤りだと思う」と持論を展開した。
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曾祖父・蒋介石総統の面影のある蒋友柏氏は、デザイン会社経営の31歳。「ここで起業し家庭を築いており、私は台湾人」と語る(25日=中央社)

 蒋家では、蒋孝勇氏(1996年に死去)の蒋方智怡夫人が今月23日、蒋総統親子の遺体を台北市郊外の国軍公墓に移転することを拒否し、故郷である中国・浙江省奉化に埋葬する考えを示すなど、「脱蒋介石」路線への嫌悪感をあらわにしていたが、4代目の考えは少々違うようだ。

 26日付自由時報によると、蒋友柏氏は「ある程度の『脱蒋介石』には賛成できる。個人的には、その目的が選挙戦略であってはならず、蒋総統親子の台湾に対する功罪を公正かつ学術的な態度で評価していくべきだ」と主張した。

 その上で「『脱蒋介石』という言葉には蒋家の一員として感傷を禁じ得ないが、よくよく考えると感傷は消え去った。民進党政権は『脱蒋介石』などとは言っておらず、『脱蒋介石』も『脱中国』という言葉も実は野党側が言い出したことに気付いた」と指摘した。

 洞察力に秀でた蒋友柏氏は、国民党と民進党の現状にもずばり。国民党については、「自己調整能力を失い、自分の存在を肯定する価値観から抜け出せないから、中正紀念堂という過去の栄光を懐かしむ精神的象徴を残したいのだ」と論破。民進党に対しても、「中正紀念堂を壊してしまえば攻撃対象が減る。紀念堂と銅像も残しておけば、選挙で支持者の士気を高める材料に使える」として、結局は中正紀念堂の保存は両党にとって好都合だと結論付けた。