ニュース その他製造 作成日:2013年10月4日_記事番号:T00046253
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)による貿易自由化の商機を見込み、台南紡織(台南スピニング)と聚陽実業(マカロット・インダストリアル)の紡織大手2社がベトナムでの生産で提携した。マカロットが台南紡織のベトナム子会社で、川上の生地生産から手掛ける南方紡織(ナムテックス)に899万米ドルを出資し、株式50%を取得する。ベトナムがTPPに参加して加盟国間でゼロ関税が実現すれば、日本や米国など先進国市場へのアパレル輸出で有利になる。4日付工商時報などが報じた。
左から台南紡織の鄭高輝董事長、マカロットの周董事長、ナムテックスの黄宏仁総経理。今回の資本提携は3年前から進めていたという(3日=中央社)
マカロットの周理平董事長は、ナムテックスへの出資により、原料から製品までの一貫生産体制が構築され、コスト低減や納期短縮による受注力強化が期待でき、「2017年までに受注獲得2倍」の目標を前倒しで達成できると意義を語った。台南紡織の侯博明総経理は、顧客であるマカロットの経営参画により、生産プロセスの改善や効率の向上、経営管理能力の強化が見込まれ、単なる2社の提携以上の相乗効果があるとの見方を示した。
ベトナム生産を強化
両社はベトナムでの布陣をさらに強化する構えだ。周マカロット董事長は、今後5年間は同国での生産能力拡充に注力し、アパレル工場の月産能力を現在の20万ダースから17年までに60万ダースに拡大すると述べた。同社はベトナムの南部と北部、およびカンボジアに大型のアパレル生産拠点を構えており、サプライチェーンの垂直統合によって経営面での優位性がさらに高まると期待感を示した。台南紡織はベトナムで紡績工場の建設計画を進めており、サプライチェーンの強化による東南アジアでの競争力強化を見込んでいる。
ナムテックス、来年は1.5倍増収
マカロットが出資するナムテックスは台南紡織の100%子会社で、今年の通年売上高は台湾元換算で12億~13億元、既に2,000万元(約6,600万円)以上の利益を計上した。来年売上高は18億元を見込む。今後は3年以内に資本金を1,100万米ドルから2,000万米ドル以上に増資し、月産能力を現在の80万~90万斤(1斤=600グラム)から110万~120万斤まで引き上げる計画だ。
資本提携後のナムテックスは、董事職は台南紡織とマカロット双方が半数ずつ派遣し、総経理はマカロット、董事長は南方紡織の人材が就任する。
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